第3話 私は付き人の燐海(りんかい)マヤです。趣味は栗雛霧谷(くりひなきりや)本人を抱き枕にすることです。
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「……」
僕は何も考えないようにして無言でおとなしく目隠しされながらマヤの膝枕で横になっている。
(寝るのは不安だな)
「寝てもいいんですよ」
栗雛の耳元でマヤは言う。
「……」
栗雛は口をパクパクする。
「寝たら勿論、悪戯はしますのでご安心ください」
自信ありげな声でマヤは言う。
(絶対寝ない!!)
栗雛は心で決意をする。
「今すぐ寝たら!なんと!栗雛様の口を私の口塞ぎした上で舌を入れるオプションを」
(絶対に寝ない!!!)
維持でも意識を覚醒させようと栗雛は決意する。
「……私に魅力がないんですかね?」
「……」
栗雛はすぐに口をパクパクする。
「どうして、こんなに魅力があるのに何で私を押し倒さないんですか!?」
力強い声でマヤは言う。
「……」
栗雛は無言になる
「私的には、かなり魅力的なモデル体型で胸も大きいので押し倒さないなんて流石に……」
マヤは甘い声で栗雛の耳元で言う。
(そもそも、マヤは付き人兼、教育係なのに未成年の教育上、良くないことしてるのわかってるよな)
心の中で栗雛は叫ぶ。
「いいえ、違いますよ」
マヤは言葉を返す。
「……」
栗雛は口をパクパクと動かす。
「栗雛様にとっては必要な教育ですよ」
(意味がわからん!)
栗雛は心で突っ込む。
「ご安心下さい他の人には卑猥な教育はしていませんので」
(何で僕だけ!?)
栗雛は心の中で叫ぶ。
「ナゼデショウネ?」
とぼけた声でマヤは言う。
「……」
栗雛は話題を変えようと口をパクパクする。
「暇だから何かしたいと?」
「……」
栗雛は首を縦にふる。
「それでしたら私の胸の柔らかさを」
(誰か!この付き人を止めてくれ!!)
栗雛は声を出せるなら叫びたい気持ちになる。
「ご安心下さい。他の人にはしま」
(卑猥発言禁止だ!!)
「お断りします」
マヤは栗雛の心の声に言葉を返す。
「……」
マヤちゃんに栗雛は口をパクパクする。
「そうです。私は栗雛霧谷様の付き人兼、教育係ですが何か?」
「……」
栗雛は口をパクパクする。
「理由は私の付き人兼、教育係でビッチメイド設定が崩壊するでしょ」
(おい!設定で今まで演じていたのか!)
栗雛は声を出せそうな勢いで心で叫ぶ。
「あ、ご安心下さい。8割、9割はありのままの私で栗雛様とは接してますので」
(安心できる要素がないんだが)
心の中でマヤにたいする突っ込みが増えて、栗雛は疲れた様子になる。
「えい」
「!?」
ガシッっとマヤは手で栗雛の頭を固定する。
「……」
栗雛はあわてた様子で口をパクパクする。
「初膝枕しているついでに耳かきをしますね」
(なぜ、そうなる!)
疲れながら心で栗雛は突っ込む。
「退屈しのぎです」
(他のことをやれ)
「耳かきさせてくれないなら、私の口で栗雛様の口をふさぎますよ」
(マヤ、それ口づけと何か違うのか?)
「栗雛様、ご安心下さい。私はファーストキスはまだですので」
(答えになってないだろ)
疲れた表情になり栗雛は両手を伸ばした。
「観念したようですね」
「……」
栗雛は身体の力を抜いた。
「それでは失礼します」
マヤは耳かきを出し始め、栗雛の耳掃除を始めようとする。
「あ、言い忘れてましたが」
「?」
マヤが耳かきをしながら栗雛に話をする。
「ヘリコプターの中での私と栗雛様の甘々な様子はライブ配信されていますのでよろしくお願いします」
マヤから爆弾発言が飛んでくる。
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