第2話 状況の理解が出来ないまま……
少年side
「……」
現状が理解出来ないまま僕は何かに乗せられて浮遊感を感じた。
(ヘリコプターかな?)
プロペラ音を聞く限り、ヘリに乗せられたようだ。
(というかこれって誘拐だよね?)
僕は視界が暗闇の状態になっていた。
(……さて、どうするかな)
乗せられた際に目元を何かに覆われてしまって現状を確認出来ないままでどうするか僕は考える。
「!?」
突然、僕の身体の体制を変えられ横にさせられる。
「……?」
固い椅子か床に当たるかと思い構えていると柔らかい何かに当たった。
(何?何?)
僕はわからないままで混乱をしている。
「……
「!?」
聞き覚えのある静かな声が突然聞こえてビクッと少年は反応する。
(え?この声は?)
「そうです。私ですよ栗雛様」
栗雛の耳元にささやくように声をかける。
(……マヤちゃん?)
「はい、正解です」
優しい声で栗雛の耳元で言う。
(どうして、マヤちゃんが?)
「それは、栗雛様を誘拐するためですよ」
「!?」
栗雛の耳元でささやくようにマヤは言う。
「……」
栗雛は目を覆われながらも無言で口をパクパクする。
「栗雛様、申し訳ないんですが目隠しは目的地に着くまで外せません」
栗雛の耳元でマヤは言う。
「……」
栗雛は口をパクパクと動かす。
「栗雛様、それは着いてからのお楽しみです」
マヤは栗雛に答える。
(相変わらずマヤちゃんは僕の考えてることや口をパクパクするだけで完璧に返して来るな)
「……10年の付き合いですからね」
マヤは栗雛の考えにあわせて言葉にする。
「……」
栗雛は口をパクパクする。
「今の状態を不安にならないように説明しますと」
「?」
マヤは栗雛に言う。
「私の生の太ももで膝枕で横になっていますのでご安心してください」
(恥ずかしいんですが)
栗雛は心の中で突っ込む。
「栗雛様の不安を和らげる為に耳かきのオプションもありますよ」
(恥ずかしいからやりません)
栗雛はマヤの膝枕している頭を動かそうとする。
「ふー」
「!?」
マヤは栗雛の耳元に暖かい甘い息がかけられて力が抜けた。
「あらあら、栗雛様の弱点を発見しました」
楽しそうな声でマヤは言う。
「……」
栗雛は無言で口をパクパクする。
「おとなしく私の膝枕を堪能していてください」
「……」
栗雛は素直に無言で首を縦にふる。
「……栗雛様」
「!?」
マヤは冷たい声で耳元で声をかけると栗雛はビクッっと反応する。
「目隠しを外したり何かするようでしたら」
「!?」
栗雛の口元にマヤの息がかかる。
「栗雛様の口を私の口でふさぎますよ」
「……」
栗雛は無言で首を2回頷いた。
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