セリアラの魔法(2)
その後数日にわたって、セリアラと少女姫はこの魔法を色々試してみた。
その結果分かったのは、この魔法を解く方法は、セリアラが元に戻るよう念じることのみだった、という事である。
少女姫「これってすごいことですよ、おねえさま! ふつう、持続系の魔法は、魔力が尽きるか、眠ったり気絶したりすると解けるそうなんです」
セリアラ「そのようですね…」
剣士の中には筋力を増強する魔法が使える者も多い。近衛兵もほとんどの者がそういった魔法を使えるが、彼らの魔法は、魔力が尽きたり気絶したりすると解除されてしまうのである。
少女姫「なのにおねえさまの魔法は、眠っても解けなかったんですよね?!」
セリアラ「はい、そうです…」
試しにセリアラは、夜寝る前に少女姫の姿に変身して、そのまま眠ってみたのだ。
そうしたら、朝起きても変身したままだったのである。
(気絶したらどうなるか、は試していない。さすがに殴るわけにはいかないので)
少女姫「これは、ふつうの影武者には出来ないことですよ!」
セリアラ「いえ、そんなことは…」
セリアラも最初はこの魔法が使えるようになったことを無邪気に喜んでいたのだが、どうやらこの魔法は普通以上らしいと気付いて、今は少々気後れしていた。
少女姫「お父さまもお母さまもとてもお喜びになるでしょう」
セリアラ「そうでしょうか…?」
少女姫「もちろんです!…でもお知らせするまでは、今まで通り秘密にした方がよさそうですね」
セリアラ「そ、そうですね…!」
・・・
少女姫が言ったとおり、国王と王妃はセリアラの魔法をとても喜んだ。
そして通常の影武者以上のことが出来るかもしれないと考え、この魔法が使えることを秘密にするよう(両親であるデシアラとイズにも伝えないよう)厳命したのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます