第31話 剣術大会 PART1
雲ひとつない青空が高く広がる
剣術大会が、始まった
大会は、とても大きな闘技場で開催される
アカデミーの行事とは、とても思えない規模だ
アカデミーの関係者以外にも各領地の騎士団長 勿論王宮騎士団長、副団長 各領主そして、国王、王妃の姿も見える
座席も、エリア別にされているので 学生の私は、おじい様達とは、観戦できない
大会開始早々、ふたつの出来事が大きな話題となっていた
国王、王妃そしてフェリックス王子の隣には、アイリーンが座っていたのだがフェリックス王子が途中退席し、一般学生スペースに取巻きと共に着席していたマリアの隣に座ったのであった
「あんなに、あからさまにするなら婚約破棄すればいいのに」
「キャラウェイ公爵家との繋がりの為に仕方なくアイリーン様との婚約破棄ができない」
「婚約破棄を願いでてもアイリーンが阻止して2人の邪魔をしている」などなど 口さがない噂があちこちに飛んでいた
ここにきて、なぜかフェリックス王子とマリアの恋を邪魔し、執拗にフェリックス王子に執着するアイリーン悪役令嬢説が生徒の中で事実として流れている
とんでもないと大声で叫びたい気持ちだ
でも、アイリーン自身が現状を静観し、おじ様もまだ何も行動されていないのに私が何も言う事は、できない
「本当にみんな無責任よね! 」
私の気持ちを代弁するかのようにクレアがプンプン怒っている
そして、もうひとつの話題 あの無敵の将軍 アクセル・ヴィユンディ前侯爵の次男セラ・ヴィユンディが大会にはじめて出場する
セラお兄様は、2年連続大会には、出場していなかった。
あの、無敵の将軍の息子というだけでも注目されるのに
あの容姿と普段は、魔導具研究室に隠っている 魔法使いとしての資質は、魔塔主にも高く評価されている彼の剣術の実力は、知るものが少ないからだ
「アリス、本当のところセラ様って剣術の実力ってどうなの? 剣持っているの見た事ないけど」
「うーん、逆に私他の人がどうなのか知らないからわからないんだけど、私がヴィユンディ侯爵家に行った時は、おじい様とずっと鍛錬してたよ……そうね、あとシュリティお兄様よりは、強いわね」
「シュリティ侯爵様よりって…… それかなり強いじゃない やだ、相手の選手秒で負けるんじゃない」
「カレンったら お兄様最近ずっと研究室にいるしそんな事ないわよ」
「今回の剣術大会は、中々面白くなるかもね 昨年優勝のノア様、フェリックス王子もああ見えて実力者だったけどマリアと遊び回っていたのがどう影響するのか そしてセラ様 やだ、面白いじゃない」とクレアが笑って言った
「クレア、ジョンとあなたのお兄様の事も応援してちょうだいよ! 」
「カレンったら、勿論応援してるわよ」
ふたりのやり取りのおかげでアイリーンの事でモヤモヤしていた気持ちが少し楽になった
ふと、見るとおじい様とおばあ様の姿を見つけた
軽く手をふると振り返してくれた
おじい様達は、セラお兄様が出場されるのを知っていて来られたのかな……
闘技場の会場は、とても広くてトーナメントAトーナメントBに別れている
両方のトーナメントの勝者が決勝戦で試合をし優勝者を決める
すでに昨日までにトーナメント出場者を決める試合は、行われており各トーナメントに残っているのは実力者ばかりである。
私が知っている出場者は、Aがノア ジョン フェリックス王子
Bがセラお兄様 ・王宮騎士団長の息子ジュリアス·ローレンス
クレアのお兄様 クリストファーである
一番最初に競技場に立ったのは、ノアの第一試合であった相手は、3年生名前は、知らないが既に王宮騎士団への入団が決まっているそう(カレン調べ)
体もノアより大きい……
試合が開始され一瞬で相手の剣が弾き飛んだ
なにも見えずただ剣が弾き飛んだところしか分からなかった
闘技場全体が一瞬静まり返り直後揺れる様な歓声に闘技場が包まれた
剣術大会の始まりにふさわしい試合であった
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