第4話 小さなお家の行方

 私は常にアイリーンにピッタリくっついて一緒に歴史の勉強はもちろん、礼儀作法、ダンスの練習、などなどありとあらゆること、勉強は勿論お茶をしたり時には、夜一緒に寝ながら話をしたり同じ時間を過ごしながら交流し、信頼関係を深めていった


 前回は私は勉強しているお姉様を横目にずっと遊んでいたから同じ時間をすごすこともなかった


 今回もすでに皇太子妃候補に名前が上がっていたお姉様にとっては必要な勉強であっても、私にはそこまでは勉強する必要もなかったのかもしれない

 けれど、実は前世ではなにも勉強していなかったから、馬鹿にされたり、恥をかくことも多かったから私ももっと勉強すればよかったと思っていたし、知識を得るということが楽しいと感じるようになっていたのであった


 なにしろ、一度18年生きてきたしね

 そう思うようになっても不思議じゃないよね

 そして、もう一つやりたかったこと 

 それは「剣術」公爵様にお願いするとあまりいい顔はしなかったけど

「まあ、体力作りや護身程度であれば」

 とキャラウェイ騎士団の副団長リックを師匠にしてくれて毎朝練習をすることとになった

 木刀の素振りと演習場の走り込みばかりだったけど体を動かすと自然な自分に戻れているようで気持ちがよかった


 そんなふうに、忙しい毎日だからあっという間に時間も季節も過ぎていき、5年が過ぎて私は10歳になった


 もうすぐ魔力が解放される頃のはず

 でもまだ実は「魅了」の力を抑え込む方法がわからないのである


 魔力が解放される前には見つけないといけない 

 何かヒントがないものかと自分が持ってきた荷物も何度も調べてみたり、書物を片っ端から調べてみても今のところなにも見つからない・・・・・・


 持ってきたものの中にはなくても亡くなった両親の荷物や元住んでいたお家にはないのかな?どうなんだろう

 今、家はどうなっているのかしら?

 そういう事もっと早く気づいてよ!私〜

 そう自分にツッコミいれながらもう足は公爵様の執務室に向かっていた


 公爵様の執務室の扉をノックし返事をいただき部屋に入り挨拶をする

 公爵様は走らせていたペンを止めて私に向き合ってくださった


「おじさま、お忙しいところ申し訳ございません 

 実は今頃とお思いになるかもしれませんが私が両親と住んでいた家や両親の荷物は今どのようになっているのでしょうか」


「ああ、いつかアリス君がそう言ってくる日があるかもしれないと思い家はそのままにしてあるし掃除も手入れもしているから安心しなさい」


「え?では私住んでいたお家を訪ねてもよろしいんでしょうか?」


 公爵様の横に立っていた執事のカールが少し笑いながら

「アリスお嬢様、ご安心ください

 お嬢様のお家は公爵家の敷地内に移設されておりますのでいつでもお嬢様の行きたい時に行くことができますよ」


「ええええ?」


「最初から君に伝えると里心がついてしまい我が家に馴染むことができないと思い、君から言い出してくれるまで伝えることができなかった すまない」


「そんな、おじさま謝らないで・・・・・

 私嬉しいです・・・・・・

 そこまでしてくださるなんて」


 前世ではなかったことだった

 私からも言い出さなかったし、

 おじさまもいつ言い出そうか悩んだままだったのかもしれない

 おじ様は引き出しから小さな箱をだし鍵を出しカールに渡した


「今からでもカールに案内してもらってくれ

 鍵は君に渡しておくから無くさないようにね」

 というと箱を引き出しに戻した


 カールに案内され公爵家の北側の庭園と温室その向こう側に向かっていった


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