第3話

今辿った三つの場所の違和感だ。

3点が交わる場所があると。

私は何となく結びつく場所へ向かった。

辿り着いた場所は廃墟となったであろう平屋だ。

私は何か不穏な気が漂い始め、すみませんと、玄関の前で声をかけた。しかし応答はない。

引き戸に手を掛けると開いていたので、私は誘われるかのように中へと入って行ったのだ。

すみませんと再び声をかけるが応答はない。

こんなことを言っては悪いが、何か腐ったような腐乱臭がする。

私はまず食べ物の残り物や洗われていなかった皿が散乱するキッチンが目についた。

この臭いであろうと思った。

床に色々なものが散乱している。

本や、紙類などの他に日用品の空箱など。

すみませんと足を前へ前へ進ませる。

おそらくこの横の部屋は寝室だろうか。

私は汚れた襖をゆっくりと開けた。

キィーッと軋む音がする。私はそこでミイラ化したある3人家族を発見した。

うっと声を漏らす、3人とも漢字の川のように並んでいた。先ほどからの蝿の音はこういったものがあるからなのか。

40代くらいの男性と40代くらいの女性、その真ん中に10歳くらいの男の子がいた。

私はあまりの匂いと衝撃でその場から立ち去ろうとした。その時だ、自分のスマートフォンの着信音ではない音が聞こえてきた。

私はやはりそちらの方が気になってしまった。

なんせもしかすると、そんなことを考えながら私はそのスマートフォンを探し出した。

恐らく、母親のスマートフォンでもなさそうだ。

年頃の女の子が使いそうなロック画面をしている。私は罪悪感もあったが、もし仮にX(Twitter)が入っているかもしれないと、私はスマートフォンを持った。

パスワードは設定してないようでアプリケーションの列が見えた。

やはり入っていた。おそらく出本はこのスマートフォンだと確信した。どうせここまできたんならとX(Twitter)を開いた。

するとやはり花の写真のプロフィールで彼女のスマートフォンで間違いない。

それにしても何故、警察は彼女の死因を自殺と判断したのだろう。

それも不思議に思い、何かわかるかもしれないと彼女の写真フォルダを見てしまった。

しかしこれといったものはなくて、ただ唯一気になる動画を発見した。

それは夜の公園のような場所、タッタッタッタと駆け寄る音が聞こえてくる。

足早に近づいてきた女はああぁぁぁぁあとカメラに向かって変な動きをする。

身体全身をクネクネさせるような動きをして、

どこかへ走っていく。そしてまた顔をひょこっとだしああぁぁぁぁあとカメラに向かって言う。

不気味だなと思いながらも何かに取り憑かれたような様子のため、変な感覚になった。

これを警察に届けようと私は思ったが、それこそ私に対する疑いが芽生えるため、どうしようかと悩んでいる。問題はこれではない。

この3人だ。

私は近くの駐在所へ急足で向かった。

40代くらいの警察官が応じた。私は一から説明した。死体のことも携帯を見てしまったことも。

何とか納得してもらって、警察はあの平屋に黄色いテープを貼った。

また何かありましたらまた電話しますと時刻は18時半を越えていたので警察は私に帰るように言った。

自宅に入り、私は仕事用の服を畳んでいると、こんなにも早く電話が来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る