第2話

その時、私の家に何者かが訪れるチャイムが鳴った。

そう、おそらくそういったことだ。

私はドアスコープを除いた。

警察だ。

私はチェーンを外し、鍵を解除し、ドアを開けた。

「すいません、夜分遅くに。警察です」

と彼は警察手帳を見せながら言った。

いくら警察でもこんな夜遅くに、と憤りを覚えたが、

「どうしたんですか」と私は聞くと、

「この辺りで自殺事件がありまして、自殺した場所の近くの監視カメラであなたの姿が写っておりまして、何か知ってることはないかと」

やはりそうだ、と私はピンときた。

それが気づいたらしく、

「何か思い当たる節でも」

と聞かれたので私はそれを話した。

私は2日ほど前に買い出しをしていた。

この1週間なるべく買い物をしないためだ。

徒歩10分ほどのところにある安めのスーパーに行った。そこで20分ほど買い物をした帰りのことだ。

私の住む街はそれほど栄えていなく、フェンス越しに電車が走る道を歩きながら帰っていた。周りには家や工場があり、百貨店などの大きな建物などなかった。たくさん品物を買ったので手を持ち替えながら歩いていると、何か目線のようなものを感じた。

その目線の先を探すためにあたりを見渡していると見つけることができた。

投稿写真の女性がフェンスの向こう側、というよりも線路の向こう側にいました。

何も変なことはないのですが、ただ目が合いながらその場を立ち去った。

そのことを警察に話した。

「そうですか、合致がつかないんですよね」

と言われた。

どういうことですかと言うと、

「その日に亡くなったはずなんですけど、まだ遺体が見つかっていないんですよ」

私も理解することができなかった。

「すいませんでしたこんな遅くに」

と彼は侘びながら去って行った。

私も何か心残りがあるまま、夜も遅かったので部屋の掃除をし、風呂に入り、ベッドで眠りにつこうとした。私は眠りにつく前にそのアカウントを再び見た。

やはり彼女は近づいたまま。

私はこのことを他の誰かに見せたいと思い、何も反応がついていないその投稿をリツイートした。そのまま私は眠りについた。

朝になった。目覚めのアラームを止めて私は起き上がり、あ、そうだとアプリを開いてあのアカウントを覗き込んだ。

リツイートは私のみのままであり、やはり彼女は近づいたままの位置にいる。

私は不思議と怖さがなくなってきたのだ。

私はいつもカーテンも開けずに自宅を出る。

そのまま身支度をし、私の住む部屋は4階建てのマンションの1階なので、そのまま施錠をし、近くのゴミ捨て場にゴミを置き、私は会社へ向かった。

いつものように道を進んでいき、会社へ辿り着いた。地方の小さな工場の事務所でタイムカードを取る。

おはようと女性社員である溝口さんが通りすぎ、私もおはようございますと返す。

社長とも目が合い、おはようございますと言う。

それから作業をし、昼食の時間になった。

私は賄いのお弁当を会社の外にあるベンチ食べながらぼーっとしていた。

するとお疲れ様とひとつ上の角田さんが隣いい?と声を掛けてきたので大丈夫です、言った。

ご飯を食べながら作業の話をしていると、私は彼にあの話をしようと思った。

その話をし、彼がその投稿を見たがったので見せた。するとその投稿はもう消えていた。

本当にそのアカウントがあったんです。と私は言いました。

「なんかそういう話、割とあるよな。使者からの電話とかさ。何か訴えようとしてるんじゃないの?」

と彼は箸をこちらに向けながら言った。

確かにそうかもしれないと思い、私は仕事終わり、ある場所に寄って帰ることを決めたのです。

そう、あの女性と目が合ったあの場所。

その場所は職場と家の間にはなく、自宅を超えてまた10分ほど歩いて向かった。

その場所に辿り着いて、私はあることを知った。

投稿の電柱の場所、おそらくここだと。

そう、私が以前彼女を見ていた場所が。

変なこともあるんだなと、フェンスの先を見てみると、それも合致がついた。その近くにある踏切もその時には気づかなかったがそこにあった。踏切を渡りその場所へ向かう。

まだこの町に来てそれほど経っていなかったので気づかなかったのだ。

もしかして、と私は足早に近所の公園へ向かった。割と大きな公園だ。そこに木が多い茂っていた。やはりあの女性でこの町で起きていたとしか思えなくなっていた。

あることに気がついてしまった。

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