第9話 コンクール明けの部活②

「ユーフォ!オブリガードがモヤっとしてるからもっとはっきりとした音で吹いて!埋もれちゃうよ」

「「はいっ!」」

「フルートピッコロは指回しを落としすぎ!コンクール時期のできてたことなのに急にできなくなるな!」

「「はい!」」

「パーカッション!いつまで楽譜見てんだ!指揮見ねぇとテンポズレるだろ!」

「「はいっっ!」」

「クラ!さっきパート練でやってところもうできてないぞ、時間を無駄にさせるな!!」

「「はいっ…!」」

「トランペット!さっきからずっと音程ズレてるぞ!右から1人ずつ吹け!」

「ぎゃーーーー!」

「相川、叫ぶな!!じゃあお前からだ!!」

「いじめだーーー!!」


◇◆◇◆


「いや〜、タカハラ全開だったねぇ〜悠くん」

「あんた、やっぱ優しさないじゃない」

「いやいやいや、少しでもまともだったら楽しい合奏にしようと思ったよ??でも、あまりにも出来が悪すぎるんだもん!」


 合奏終了後の帰り道、俺ら3人は今日の合奏を振り返っていた。

 …たしかに、久々の合奏、ちょっと楽しくなっちゃって厳しくしすぎてしまったのかもしれない。とはいえクオリティが下がりすぎていたのも事実。俺は、悪くない、多分。


「あれ、先輩まだ帰ってなかったんですねー!」


 駅に向かう最中のコンビニの前には美咲と玲奈、そしてクラリネットパートの後輩の野沢美穂のざわみほがアイスを食べていた。


「やっほー!ゆーとん!」

「おい、野沢、せめて先輩つけろあと敬語!!」

「別にいーじゃん!」

「よくねぇよ!俺の先輩としての威厳が!」

「そんなものそもそもないですよ高瀬先輩」

「うるさい!相川!」

「ちょっひどくないですか!?」


 などと、後輩たちとしょうもない会話をしていたら、恵からちょっと冷ややかな視線を感じて、踏みとどまった。


「はあ、お前らアイス食べながらなんの話してたんだよ?」


「ゆーとんに好きな人ができたらしいって話してたー」

「「「はあ!?」」」


 俺ら3人ともびっくりしすぎて大声を出してしまった。

 どっからそんな話が湧いてきたねん。


「そ、そんな驚かなくても良くない?」

「ご、ごめん。でもどこからそんな話が出てきたんだ?」

「玲奈がゆーとんと綾華先輩が話してるのを聞いてたらしーよ。みんながパート練に行ってる時に」

「えお前いたの!?」

「存在すら認識されない私ってなんですか…」

「うわぁ、ごめん悠斗。全く気にしてなかった」

「め、めんどくせぇ」

「で、悠斗先輩!好きな人誰なんですか!」

「言うわけないだろ!!!!!玲奈、綾華、帰るぞ!」


 と、大急ぎでその場から離れて、電車の方まで走り出した。

 

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