第2話 協力者、あらわる
一方、同時刻。エスポワールの面々はというと......
「わぁ、ほなみんの浮気ニュースが公開されてる〜。これ、結構ヤバいよね?」
「在籍時に出されていたら、エスポワールが大打撃を受けていたかもしれないわ。でも、
「
「普段通りよ。でも、一つ疑問が残るわ。穂奈実の性格的に、周りを不幸にして、自分だけが得をする行動はしないと思うのだけど」
「いや〜案外、人の腹の内は分からないものだからね」
「
「あはっ、バレた? けど、結衣が言ってることも、意外と当たってるかもよ......」
場面は移り、
「何でだよ! みんな、ほなみんを見捨てやがって」
(いやでも、何人かは、まだ見捨ててないよな。少ないけど、協力者が居るんだ。だったら、この人達をまとめ上げて、ほなみんを救ってみせる。)
それから心紬は、行動を起こそうと考える人達と連絡を取り、ほなみんのSNS上に、関係しそうな投稿がないか探すことや、密会の写真が撮られた場所の特定。更には、記事を作成した記者の情報を調べる等の役割分担をした。しかし、所詮は一般人の集まり。調査が難航していた時に、協力者の一人が、心紬にとある提案を持ちかけた。
(数年来の知り合いで、同担のなかじーから、知り合いの凄腕探偵を紹介すると言われたものの、大丈夫だろうか? もしかしたら、法外な費用を請求されたり、信じたくない事実を突き付けられるかもしれない。でも、他に策は無いんだから、やらずに後悔するよりも、やって後悔する方が良いに決まってるはずだ。)
心紬は決意を固め、なかじーと二人で、探偵へ会いに行く。
「
「
「へっ?」
(驚きのあまり、思わず声を出してしまった。なかじーからは凄腕の探偵と聞いていたけど、もしかして、相当な変わり者なのか? )
「まぁ、度来にとっちゃ、そうなるよな。分かった、本題に入る。おれ達は、お前に依頼しに来たんだ。詳しいことは、おれじゃなく、みっつーに聞いてくれ」
心紬は困惑していたが、仲地に仲介して貰い、話を切り出す。
「俺は、
「僕が提示するのは、真実だけだ。それが、彼女の潔白に繋がるかは分からない。後、お願いするなら、もっと誠意を見せてくれ」
「分かった、土下座でも全財産を差し出すでも、どんと来い!」
「いや、そういうのじゃなくて、もっと僕の興味が惹かれる行動をしてよ。別に僕は、金儲けの為に探偵をしてないし、人の土下座する姿に優越感を覚える趣味もないから」
(度来さんの興味を惹くって、俺は一体、何をすれば良いんだ!? )
心紬は困惑し、仲地にこっそりと相談を持ちかける。
「なかじーは、度来さんが求めていることが分かる?」
「いや、おれも度来のことを完全に理解している訳ではないけど、アイツは、普通の行動で誠意を示しても、動かないと思う。何せ、賢い奴だから、人の行動が手に取るように分かるんだ」
「なるほど......」
(つまり、度来さんが予想出来ないこと、理解できないことをすれば、興味を持ってくれる? それなら、一つあるじゃないか! )
次の瞬間、心紬は身に付けていたリストバンドを外し、それをライターで着火しようとする。
「おいっ、みっつー、何やってんの!? そのリストバンドは、初ライブで買った、思い出の結晶だって言ってただろ! なのに、燃やそうとするなんて、ほなみんのことを忘れたいのか?」
「いや、全っ然違うから! 寧ろ逆、ステージで輝くの彼女を忘れられなくて、信じたいから、こんなことをしてるんだ」
「仲地、どうしよ。僕には、彼が何を言ってるか分からないんだけど」
「要するに、初ライブの思い出と引き換えでも良いから、彼女が再びステージで笑って、輝いている未来を守りたいってこと!」
その場に流れた沈黙を、度来が破る。
「......ぷふっ、そんなに顔を真っ赤にして、涙目で訴えかけられたら、笑うなって方が無理でしょ。有動君、凄く面白いね」
「うぅ、恥ずかしいので、あまり笑わないで頂けると助かります」
「それは難しいな。でも、確かに興味を惹かれたから、有動君達に協力するよ」
「良かった。やったな、みっつー!」
「なかじーの助言のお陰だ、ありがとう」
続く
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