第43話◇小さな天使とラブラブデート◇


「ほれ、あーんして」

「あーん♪」


 小雪こゆきを膝に乗せて食べさせてやると言ったら小躍りしながら席を移動してきた。


 周りからは微笑ましい者をみるような視線が注がれているな。


 ちょっと恥ずかしくなってしまうが小雪こゆきの為ならえんやこらって奴だ。


 生クリームをたっぷりまぶした特大のイチゴをスプーンで掬い、小さく切って小雪こゆきの口に運んでやる。


 可愛らしく「あーん♪」と口を開ける小雪こゆきの口はとても小さく、半分くらいに切ったイチゴでもギリギリ入るかどうかというところだった。


「美味しい~♪」

「ほら、今度はサクサクのコーンだ」

「うん♪」


 紅茶をたしなみながら甘いイチゴパフェを2人で堪能し、ご満悦の小雪こゆき


 流石に全部食べきるのは無理だったので半分以上は俺が食べたのだが、この体はあまり甘いものが得意ではなかったらしく、若干胸焼けに苦しんでいた。


「けぷ……」

「大丈夫か小雪こゆき

「えへへ。食べ過ぎた…。でも、好きなだけ食べたの、初めて。ありがとうお兄ちゃん」


 小雪こゆきの喋り方が段々とハキハキしてきている。

 彼女本来の明るさを引き出している証拠だ。好感度が爆上がり中だな。


 しばらくお散歩デートを楽しんでいたのだが、歩き疲れたのか小雪こゆきの足取りが少々重たくなってくる。


「のんびりボートでも乗るか」

「うんっ」


 デートのやり方としては非常に古典的。しかしそれこそが彼女の好きな時間なのである。


 小雪こゆきはゲーム開始初期から主人公に対して好意を隠していなかった。もちろん難聴系主人公には届いていなかったが、俺はその感情の行き先を全て知っている。


「落っこちないように気を付けて」

「んっしょ、わわっ」

「おっと」


 ボートに乗り移るところでバランスを崩した小雪こゆきを受け止め、フワリとスカートが舞い上がる。


「大丈夫か?」

「うん…えへへ、お兄ちゃん大っきい」


 どうも小雪こゆきはくっ付くのがお好きなようだ。

 

「よーし、とりあえず池の真ん中あたりまでいくか」

「うん♪」


「よいっしょっと」


 オールを漕ぐというのはやったことがないが、デートの前にボートに乗ることを想定して動画でコツを勉強してある。


「お兄ちゃん、ボート漕ぐの上手なんだね」

「そうか? 実は初めてだ」

「そうなんだ。格好いい♡」


 ボート一つで喜んでもらえるなら安いもんだ。リサーチしておいてよかったぜ。


「(おっ……)」


 オールを漕ごうと前のめりになって力を込めようとした時、前に座る小雪こゆきの姿が目に入る。


 座る椅子の部分の出っ張りはそれほど高い位置に存在していないため、自然と膝を立てて座ることになる小雪こゆきのスカートの奥が見えてしまっている。


「♡」


 小雪こゆきはわざと見えやすいように膝を立て、パンティを隠そうとしなかった。


 見せつけている感じではなく、あくまで自然に見えてしまうように。


 しかし完全にわざとだ。彼女は俺の視線に気が付いている。


 小雪こゆきは意外と小悪魔なのかもしれないな。


 今日のパンティはリボンとフリルの入ったキュートなデザインだが、その食い込みの細さは随分と角度が鋭い。


 つまり布面積が小さなエッチ度の高い下着ということになる。


 しかしせっかくならパンツばかり見ていてもつまらない。

 小雪こゆきとのデートを目一杯楽しむには、もっと密着してしまいたい所だ。


小雪こゆき、こっちにおいで。抱っこしてあげる」

「うん♪」

「落っこちないように気を付けてな」

「んっしょ、っとと、えへへ、お兄ちゃん♡」


「丁度良く二人きりだな小雪こゆき

「うん♡ 小雪こゆき、幸せ……」


 気が付くと池の周りから人の気配が消えていた。 

 今日は土曜日だ。先ほどまで人で賑わっていた筈の周辺から一切いなくなっている。


 これは間違いなく妖精さんの仕業に違いない。

 つまりアレか? ここで小雪こゆきを頂いてしまって構わないということだな。


小雪こゆき……」

「お兄ちゃん……ん♡」


 背中をくっ付けて甘える小雪こゆきがこちらを見上げ、何かをねだるように目を閉じる。


 ついっと上向いた唇は、吸い付きたくなるようなぷるぷるのピンク色だった。


 俺はその誘惑に逆らう事なく重ね合わせ、小雪こゆきにベーゼを被せる。


「はみゅ♡ んちゅぅ……ん、ちゅぱぁ♡ えへへ、小雪こゆきのファーストキス、あげちゃった♡」


 以前のエチエチ配信プレイの記憶は彼女の中から消えている。

 故に彼女にとってはこれが俺とのファーストキスになったわけだ。


「ん……ひゃわ、お、お兄ちゃん」


 誰もいない空間。邪魔するものが誰もいない二人きりのボートの上で誰にも憚ることなく好きなことができる。


 そうなったらやるべきことは一つ。

 小雪こゆきの体を抱きしめ、腰の辺りからお腹にかけてを撫で回した。


「ひゃん♡ お兄ちゃん、くすぐったい……んっ……ふぅ♡」


 さて、それじゃあ催淫を始めとしたエロスキルを解放して……。


「お兄ちゃん」

「どうした?」

小雪こゆき、ここで大人になりたい」

「んぉ⁉」


 ハッキリとそう言った小雪こゆきの瞳には、桃色のハートマークがくっきりと浮かび上がっていた。

 スキル発動させる前でこれとは…。小雪こゆきは凄まじい逸材かもしれないな。


 ボートの上で初体験を望む小雪こゆき

 据え膳食わぬは男の恥というものよ。


 はい、非常ひっじょ~~~~に美味でした☆。


――――――――


※後書き

小雪ちゃん、覚醒


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【クズモブ転生】全年齢恋愛ゲームでバグスキル『エロ同人』に目覚めた俺は激カワヒロイン達とやりたい放題エロゲーしようと思います~主人公がクズ過ぎるので奪ってもいいだろ? かくろう @kakurou

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