第20話◇保健室での幸運◇

 保健室で休む事10分ほど。俺達は気まずい空気の中で沈黙を過ごしていた。


 保健の先生は用事があるとかで部屋を出て行き、俺達は完全に二人きりになった。


(そうだ、これってチャンスじゃないか)


 背中の痛みですっかり忘れていたが、これはラッキーちゃーんす☆なのだ。


 ヒロインとどうやって接触しようか画策していた所に妖精の声がした。


 そして突然訪れた二人きりの空間。

 こんなチャンスは滅多にあるもんじゃない。


(保健の先生がいつ戻ってくるかも分からん。このチャンスを逃す手はない。ヤッちまおう)


 俺は思考が戻った瞬間にやるべきことを思い出し、エロ同人スキルを発動させた。


 【催淫】【危険感値緩和】【警戒心解除】【認識改変】

 

 任意で発動するエロスキルは、俺の周囲数メートルにエロ空間を作り出し、彼女のあらゆる常識を打ち壊していく。


 警戒心解除はパッシブスキルでもあるが、意識することで効果を強める事も可能だ。


 これで初音はつねの警戒心は相当緩和できるはず。



「なあ桃園ももぞの

「は、はい、なんでしゅか?」


 いきなり声を掛けられてどもる初音はつねを可愛いとか思いつつ、俺はエロ計画を実行に移す。


 前回の舞佳まいかの時は主人公に認識を変えてエッチまで持ち込んだが、今回は俺を俺のままとして進めてみたい。


『パンパカパーン♪ おめでとうございまーす☆ 【認識改変】の派生スキル【常識改変】を習得しましたよー』


 またぞろ頭の中で大声を出しやがった妖精さんに変な声がでそうになったが、初音はつねに意識を向けていたのが幸いしたのか、なんとか我慢することができた。


 そして頭の中で新しいスキルの使用方法が流れ込み、俺は迷わず発動させた。


『これで膣内射精しなくても一時的にその人の常識を改変できちゃいまーす☆』


 なるほどな。そういう使い方か。よーし。


「実はさっき打った背中が少し痛んでな。おっぱいで癒やしてほしい」

「ふぇっ⁉ お、おっぱい?」

「どうした? 何を驚いているんだ。だろ?」


「ッ……」


 その瞬間、彼女の体がビクンと震え、少しの間が開いた後に思った通りの返事が返ってきた。


「そ、そうですよね。怪我で苦しんでいる人におっぱい揉ませるのは当たり前ですもんね」

「ああ。桃園ももぞのはホスピタリティに溢れてるから、そのくらいできるよな?」

「はい、さっきのお詫びとお礼もありますし、こんなのでよかったら、ど、どうぞ」


 おおおおおおおおっ、マジかッ! 今更だがこんなことで触れるとかマジで意味わからん。が、素晴らしいの一言だ。


 ゲーム画面ではなんでこのキャラがエロゲーのキャラじゃないんだろうってずっと思ってたくらいにエロエロなキャラデザの初音はつね


 胸が大きすぎて上のサイズの制服でもパツパツになっている大爆乳。

  

 それを堂々ともみしだけるシチュエーションに興奮を禁じ得ない。


「じゃあ背中が痛くて起き上がれないから、俺の上に跨がってくれ」

「ふぇっ、ま、跨がるんですか?」

「ああ。じゃないと揉めないだろ?」

「そ、そうですよね。おっぱい揉むためにはそうしないとですよね」


 自分で言うのもアレだがなんとも変な気持ちになるな。

 アホみたいな支離滅裂な理論でも常識として捉えられてしまう恐ろしい能力だ。


 だが経験上、時間制限もあるだろうし、できるところまでたっぷり堪能させてもらうとしよう。


 ワンチャンここで初音はつねをモノにできたらめっけもんだが、恐らくそこまでの時間はあるまい。


 この能力のやっかいな所は、欲望一直線に望む結果を全部得られるわけではない、という点にある。


 相手の精神状態によって能力に効きに違いが出ているのが間違いなく、初音はつねの場合は関係性が薄い分だけ最後の一線を越えるまでゆっくりと種を植え付ける必要がある。


「し、失礼します」

  

 ベッドから起き上がった初音はつねが、恐る恐るといった感じでゆっくりとこちらのベッドに登ってくる。


 キシリとスプリングの擦れる音が静寂の保健室に響き、二人の空間を一層卑猥な空気感にした。


「ん……しょ、し、失礼します。こうで、しょうか?」

「ああ、それじゃ、まずは制服の上から揉むぞ」

「は、はい……」

「体の力を抜いててくれ」


 おおお……目の前で見ると本当にデカいな。リアルにこんな巨乳がいたら体形が崩れそうなもんだが、ゲームのキャラだけあってプロポーションはまったく均衡を崩していない。


 胸以外の部分はしっかりとスレンダーと言って良いほどほっそりしている。


 顔はシャープだし、肩は華奢だし、くびれもちゃんとありそうだ。


 胸と太もも。そしてお尻。女を感じやすい部分にだけしっかりと肉がのっかっている。


 恥ずかしそうに両手で抱きかかえた爆乳が更に強調されている。

 

「両手をどけて」

「は、はい……」


 常識は改変されても羞恥心までは失われないのが良い所だ。

 妖精さん、分かってるねぇ。


「じゃあ触るぞ」

「は、はい、優しく、お願いします……」


 心臓が高鳴る。童貞でもあるまいし、今更おっぱい一つでこんなにドキドキできるなんて、お得な精神だな俺は。


 降って湧いてきた幸運に、俺はたっぷりと乗っかることにした。

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