攻略の課題 主人公とゲームシステム
第12話◇一晩明けて◇
一晩かけてたっぷりと愛し合った
この【エロ同人】というのも非常にご都合主義的というか、チートに過ぎる面があるようだ。
それというのも、処女喪失と共に赤く腫れ上がった粘膜が直ぐに傷を完治させていくだけではなく、まるで新品のように状態を復元させる。
感度はそのたびに上がっていき、着実にセックスが気持ち良くなれる状態を形成していった。
まさしくエロ同人だ。創作物の中では、しばしばこうした現実には有り得ない状態が起こることがある。
絶倫とかもそうだろう。普通は10回も射精できないし、したらしたで
そして疲労感なども一切なく、自分が無敵になったのではないかとすら思えるほどバイタリティーに満ち満ちているではないか。
「ふにゃぁ……」
「おい
「ふぇ? んにゃ……くぁ……あふ。おはよう亮君」
「おはよう
「んぁ、そうだね、起きないと……って、亮君学園行くの?」
「なんだ? 一緒にサボるか?」
「ううん。じゃなくて、やっぱりいい。朝ご飯、準備するね」
何かいいかけた
おはようのキスでもしてやろうか。
「いいよ、冷蔵庫なにもないから、ドニーズのモーニング行こうか」
「そっか。じゃあ朝はそうしよっか。でも、帰りにスーパー寄って食材買いそろえよっか」
「あん? どうしてだ?」
「え、だって。亮君カップ麺ばっかり食べてるみたいだし、ちゃんとしたもの食べないと体壊しちゃうよ」
甲斐甲斐しいことだ。すっかり彼女気分である。
いや、実際にそういうことになっているのだが……。
しかし、それは普通の彼女ではない……なぜなら。
「それに、
「ああ、そうだな。
「や、やだっ♡ お嫁さんなんて、気が早いよ亮君♡」
そう、認識改変によって彼女の中の常識を改造させてもらった。
その瞳には
今の彼女にとって、男は複数の女を囲って愛する事が甲斐性のある証拠であり、
ハッキリってこれ以上ないほど洗脳だが、ハーレムを築く為には普通の常識は邪魔なのだ。
俺は
しかして今更愛し合った彼女を捨てる気はない。
絶対に捨てない為にはどうするか? 彼女が幸せを感じるポイントを改変してあげればいい。
そうすれば彼女は俺と一緒に幸せになれる。誰も不幸にならない万々歳だ。
俺っていい事するな。
◇◇◇
「えへ、えへへへ、亮君と一緒に登校できるって、なんか幸せ♡」
「そんなもんかね。大袈裟だと思うが」
ニコニコ笑顔の
完全に恋人に甘々デレデレの舞い上がり状態だ。可愛いじゃねぇか。
朝飯を近くのファミレスで済ませ、学園への道のりを一緒に歩く。
とはいっても電車にのって行かなければならないので、家が近所の俺達は自然と同じ道を駅まで歩くことになる。
今までは
多分単純にサボるっていうより、
まあその足で女をナンパして家に連れ込んでいるので全然甘酸っぱくもなんともない。単なるクズであるが。
さて、それよりも、昨日途中で打ち切った話の続きを話しておくとしようか。
まず本物の霧島亮二だが、先も言った通り既に死亡している。
死因は多分心臓発作か何かだろう。そうして脳死と共に肉体が死を迎えて魂が離れた瞬間、俺の魂が入れ替わりに定着した。
なんで断言できるかといえば、俺にもよくわからん。
というより、そうなったのが事実であって、『なんで?』『どうして?』の部分は知らないからだ。
霧島が死んだのが偶然なのか必然なのか。ここがゲームの世界であると考えると、恐らく必然だったのだろう。
仮に神と呼称するが、神的な存在が何か目的があって俺をこの世界に転生させたのだとしたら、そのために霧島は殺されたことになる。
別段そのことを哀れに思ったりもしないし、なんなら
むしろバッドエンドの不穏人物であるこの男が死んでくれた事によって、メインヒロイン達が不幸になる可能性が減ったまである。
しかしバッドエンドで退場する要因はそれだけじゃない。
だから彼女達が完全に不幸な結末を回避できるかどうかは、まだまだ未知数であり、俺が動きを止めていい理由にはならない。
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