第11話◇霧島への義理を果たす◇

 サブヒロインも大変に美味でした。いやぁ、興奮するねっ!

 ベッドの上で息を乱す彩葉いろはをなでなでしながら余韻に浸る。


「亮君、好き♡」

彩葉いろは

「これ、ちゃんと言っておかないとって、思って……」


 ギャルの見た目で純情可憐。


 俺は鬼沢彩葉いろはというキャラクターの魅力を見誤っていたかもしれん。


 彼女の性格はサバサバしてて姉御肌な感じだ。

 オドオドしててトラブルに巻き込まれやすい桃園初音ももぞのはつねを守るナイトのような存在であり、主人公はいつもケツを叩かれている。


 ゲーム本編のどこにもこんな顔をした彩葉いろはを見ることはできない。


 転生すればこそ見られる意外な一面。好きな男にはどこまでも乙女なのだ。


彩葉いろは、俺も好きだぜ」


 あくまで攻略ヒロインの次だけどな。だが、俺には霧島亮二としての気持ちも入っている。


 霧島こいつはどうしようもないクズであるが、鬼沢彩葉いろはに対する気持ちはちゃんとあったらしい。


 女を食うのも、遠くなってしまった彼女を忘れる為の誤魔化しの行為だったようだ。


 まあ、バカだな。まったく共感できんわ。

 だが元の霧島に抱かれるより、今の俺に抱かれた方が彩葉いろはは何百倍も幸せだろうぜ。


 心配しなくてもお前の分まで彩葉いろはを愛してやるから安心して成仏しろ。


 言い忘れていたが、本物の霧島亮二は既に死んでいる。

 感覚として分かると言っても納得は難しいかもしれんが、

ともかくこいつが死んで、俺が入れ替わるように入ったことは間違いない。



「亮君、私、亮君の好みの女になってる?」

「あん? なんだその質問は」

「だって。私、あんまり可愛くないから……。ギャルみたいな格好しても」


 そういや、このギャルちっくな格好も俺の好みに合わせようとしてくれたんだっけか。

 

 霧島にとってはどうか知らんが、俺としては別段ギャルが好みと言うわけでもない。


 だがさくさくのヒロインとしての彩葉いろはは、このギャルの格好こそが彼女のアイデンティティーだ。

「お前は俺の好みの女だぜ彩葉いろはっ。ギャルの格好も可愛いじゃないか。だがこれ以上自分をイジらなくていい。今のお前でいてくれ」

「うん♡ 嬉しいよ亮君♡ でも、飽きたらちゃんと言ってねっ。髪型も、メイクも、亮君の好みに合わせるからっ、ちゃんと、良い女になるから」

 従順な女というのは好みだ。さくさく内では分からなかったが、鬼沢彩葉いろはの魅力はこういう所にこそあるのだろうな。


 さくさくのファンが誰一人知ることのない、俺だけが知っている彩葉いろはだ。


「いいぜ彩葉いろは。ちゃんと俺の好みの女になれよっ。そうで有る限り、ずっと愛し続けてやるからなっ」

「嬉しい♡」


 そんな可愛い笑顔向けられたら、再びムクッと起きちゃうぞ。


「あう、亮君の、まだこんなに……男の人って、1回したら終わりなんじゃ」

「どうも俺はそっち方面は強いらしいな。まだまだ何度もできるぜ。というか、まだまだ終わらせるつもりはないからな」

「んへへへ、じゃあ、今夜はいっぱい亮君の色に染められちゃうんだ♡ ねえ、亮君は今までどんなセックスしてきたの?」

「なんだよそれは。別に気にしない方が良いぞ。他の女とのセックスなんて、聞いてて楽しいものじゃねぇだろ」

「そうだけど、私は聞きたい。それで、全部経験したい」


 なんとまあ、彩葉いろはって結構重たい女かもしれないな。

 だが俺の好みだ。スキルがあれば幾らでも依存させられる。


 さて、霧島への義理は果たした。今夜一晩かけてたっぷりと洗脳の種を植えさせてもらう。


「まずは風呂に入ろうぜ。身体中ベトベトで気持ち悪いだろ。というか俺が気持ち悪い」

「んもうっ、ムード台無しだよぉ。えへへ、でも一緒にお風呂は嬉しい」


 嬉しそうに笑う彩葉いろはを見て、欲望は再びムクムクと隆起する。

 

「やっぱりこのままもう一発やろうぜ。今度は後ろからだ」

「いいよ、まだちょっとヒリヒリするけど、今度は優しくして、ね♡」


 あくまでも健気に俺の欲望に答えようとする彩葉いろは

 その愛らしい仕草で興奮した俺は、今度はスキルを全開にして欲望を注ぎ込んだ。



 そうして、その日一晩かけた俺達のセックスは、本当に朝日が昇るまで終わることはなく続いていくのだった。

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