4 社畜の鏡 彼は一撃で決め切ります(改稿済)
『前回の振り返り』
麗目君は天然の誑し!なのか?以上!
それでは本編へどうぞ。
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『社畜の鏡 彼は一撃で決め切ります』
はいどうも。
社畜の鏡こと麗目隆です。
今日は社長の急な無茶振りによって探索者試験に来ています。
そして今,試験や探索者についての説明を聞いています。
いやぁ。
やっぱり命がかかってるだけあって報酬がとても良いですね。
1番安くても一回の依頼で5000円はいくらしいね。
なんで俺はこんなにも良い職業を見つけられなかってのでしょう。
もし探索者になってたら社長たちの激務にも耐えられたのかな?
あれ?
そう考えるとなぜか目から水が…。
試験はダンジョンでの『採取』と『討伐』,そして試験会場での『闘技』の順で行うらしい。
『採取』では魔薬(決して危ない薬の方ではない)の元となる『魔草』を集める。
中でもダンジョン内で見つけやすい『初級回復草』を10本ほど見つければ良いらしい。
ということで俺と石狩さんは2人で『採取』のためにダンジョンに来ています。
「魔物も出るらしいから,気をつけていきましょ。」
改めて思ったけど,この子めっちゃ頼りになる。
どこかの誰かさんの娘とは思えないくらいにいい娘だ。
さっきからちょくちょく出てくる魔物も倒してくれているし,危険な場所があったら事前に教えてくれる。
大人の俺はその後ろについて行っているだけで…。
『不甲斐ないのであります!』
でもしょうがないよね!?
俺今日までそもそもダンジョンなんて知らなかったんだよ!?
しかも魔物のことなんて今さっき知ったばっかりだし?
ごめんなさい。
言い訳は悪くないですよね…。
がんばります…。
「ごめんね石狩さん。よかったら魔物の倒し方を教えてくれないかな?」
そう言うと石狩さんは呆れたようにため息をついた。
マジで申し訳ない…。
「はぁ。やっぱりあなた何も聞いてないのね。うちのバカお父さんは後でしばいておくから心配しないでいいわ。そうね,じゃあ簡単にそこにいるスライムを使って説明するわね。」
話しながら石狩さんは俺たちに襲いかかったスライムを捕まえる。
「まず,スライムの中心を見たらわかると思うんだけど,すべての魔物には核ってものがるの。これは魔物の動力になっていて,その核を壊せば魔物は消滅する。壊し方は人それぞれだけど,流石にスキルを使わないと厳しいかもね。」
なるほど…。
つまりスキルがないと難しいってことか。
「ちなみに石狩さんのスキルは何か教えてくれるかな?」
「私のスキルはお父さんの遺伝で【剛破】よ。お父さん情報によるとすべてのステータスが倍になるスキルらしいわ。倍率はこっちで設定できるけど,倍率を高くし過ぎるとそれに応じて体にも負荷がかかるわ。あなたはスキルについて親から聞いてないの?」
うーん。
スキル…スキル…スキル…スキル…。
………。
俺は昔,母親から言われたことを思い出す。
「あんた,探索者だけにはなるなよ?スキル持ってないんだから。」
「アッ(察)」
ちょいちょい待てよ?
勘違いの可能性もあるからな!?
一応母さんに確認確認…。
俺はlimeを開く。
──────────────────────────────────────
『13:21/ねね,母さん。』既読
『13:22/どしたん。』
『13:22/俺ってスキル持ってるよね?』既読
『13:22/何言ってんの?前にも言ったでしょ。たまたま世界が合併した時とあんたが生まれたタイミングがぴったりでスキルがもらえなかったのよ。』
『13:22/え,俺そんなタイミングよかったん?』既読
『13:22/いや,私が驚いてツルッと生まれてきた。』
『13:22/ふぁっきゅー』既読
──────────────────────────────────────
うん…。
思い出したわ。
思い出したくなかったけど…。
俺が職業に冒険者を選ばなかったのはスキルがなかったからですね。
何で忘れてたんだろ。
それよりも…。
「終わった。」
スキルないんだよ?
それほど身体能力も高くない俺がどうやって魔物を倒せと?
無理でしょ。
「あのぉ,大変申し上げにくいんだけど…。俺,スキル持ってないです…。」
石狩さんは口を開けて固まっている。
俺の目からは水が滴り落ちる。
我に帰った石狩さんはどこかに電話をかける。
「ちょっとバカ!あんた,どう言うつもりなの!?は!?知っていたんならなんで先に言わなかったのよ!ちょっと!……」
あー,いやだ。
見たくない。
鬼の形相だ。
いや,鬼なんて言葉は生ぬるいのかもしれない。
言うなればそう…。
百鬼夜行だ。
そういえば気になったんだけど,百鬼夜行っていう名前のスキルないのかな?
響きかっこいいよね!
憧れるわぁ。
今度探してみよ。(現実逃避)
しばらくして,電話口に怒鳴りつけていた石狩さんはため息をついてから俺に言う。
「ごめんなさい。うちのお父さんの責任だわ。でも身体能力とかを確認したいらしいから一回は戦闘をしてってお父さんが言ってたわ。」
嘘やん。
社長俺に死ねって言ってるようなもんだよね?
俺戦えるかすらわかんないんだけど?
まぁ一回戦ってみるけど…。
「それじゃあそこら辺にいるスライムと戦うので大丈夫かな?」
「そうね。でも魔物を倒すには負の感情から成る【魔力】が必要になるわ。あなた,見たところ魔力はなさそうだけど。」
その話を聞いた瞬間,俺に電撃が走る!
『負の感情?ストレス?んなもん腐るほどあるわい!』
俺は会社のストレス(社長への)や,会社でのストレス(社長への)を思い出しながら拳に力をためる。
『労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働労働…』
「な,なんて魔力!!どこにそんな量の魔力を秘めていたというの!?」
ほらね!?
すごいでしょ!?
魔力だけならたくさん出せる自信あるからね!
それよりなんか周りの雰囲気おかしくね?
まあいっか。
「スライム相手にそんな魔力は必要ないわ!死体撃ちよ!」
石狩さんが何か言ってるが関係ない。
というよりその時の俺にはその言葉は聞こえていなかった。
そんな俺は本気の本気でスライムを殴る。
『
俺が手を振りかざすとスライムはすぐに潰れた。
だが俺の拳は止まることを知らなかった。
背後から一個の巨大な拳が振り下ろされる。
『あ,やばい。』
そう思ったのは技を打った直後でした。
まず,地面に強い衝撃が加わってひび割れます。
まぁここまではいいね。
魔力が強すぎたで収められるから。
まぁ良く無いんだけど…。
だが問題はここからだ。
俺の体が衝撃に耐えきれずに吹き飛びます。
次に,俺の隣にいた石狩さんが俺につかまって一緒に飛ばされます。
最後に,殴ったスライム…だけでなく,周りにあった木や湖,スライム以外の魔物などが全員蒸発していきます。
よく見るとボスも蒸発していってるね。
そして…。
ビキビキ…
ダンジョンの壁や屋根にまでヒビが入り始めました。
さすがにね?
そんなことはないよね?
まさかダンジョンが壊れたりなんてしないよね?(フラグ⭐︎)
そんな俺の願いは虚しく,
パリーン
そして儚く消え去った。
「あ,やば。」
周囲の警備員や探索者試験の委員の人たちがこっちを見ながら固まっている。
はい。
何が起きたかわからない人のためにも,説明しましょう。
スゥ…。
ダンジョンを壊してしまいました。
────
どうも,作者のぞーすいです。
さて,四話にて麗目君が今作一発目のやらかしをしてくれたのですが,どうだったでしょうか?
個人的には幸ちゃんが可愛かったのでそこまで気にしてないです。
(尚,このダンジョン破壊が全ての始まりなので,今回が1番重要な回であります。)
もし面白ければ⭐︎や♡,コメントよろしくお願いします。
また,話が進む中で分からない点などがあれば,気軽にコメント,または近況ノートの質問箱の方にコメントしていただいて構いません。
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。
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