3 社畜の鏡 彼は無意識に女性を照れさせます(改稿済)
『前回の振り返り』
蛍光色コンビのおバカさと千早さんの怖さが出てた!以上!
それでは本編へどうぞ。
────
『社畜の鏡 彼は無意識に女性を照れさせます』
早野さんとお互い土下座をし合った後,俺はランクなどについて詳しく聞くことになった。
そしたらまぁ俺の知らないことばっか出てきて内心焦ってます。
社長の隣に座る早野さんは若干キレ気味だし,今すぐにでも逃げたいです。
「ランクとは,簡単に言えば階級だな。Dランクが1番下で,1番上がSSSランクだ。1番上のSSSランクは世界に5人しかいないな。ちなみに俺と千早は探索者になって2ヶ月でSSランクになったぞ。」
なるほど。
ん?
てことは普通に早野さんと社長もだいぶおかしくね?
だって5人しかいないSSランクの一個下とはいえど,そんなに簡単になれるもんじゃないよね?
やっぱり大手企業のお偉いさんは才能があるのか。
しかもそれを当たり前のように言うとは…。
恐ろしや恐ろしや。
というか2ヶ月でSSランクって…。
この人たちヤバい。(泣)
「ちなみに俺のランクはどのくらいなんですか?」
おそらく,今日決まったのならDランクからだろう。
うんうん。
良き良き。
俺は社長たちみたいに2ヶ月でSSランクになるつもりはないからね。
それ以前に探索者になれるかどうかも怪しいから!
そしてこれは決してフラグではないから!
だが,この社長は俺の想像の斜め上のことを言う。
いや,斜め上どころではない。
真上だった。
「あ,その事についても言い忘れてたな。今から千早と探索者試験を受けてきてくれ。もう試験の予約はしてあるからな!」
ガン!!!
ちょっと!?
俺の目の前を椅子が爆速で通過して行ったんですけど!?
あまりの速さに体の生存本能が本気を出したんだけど!?
しかもなんか椅子が凍ってるし!
椅子を蹴ったのは早野さんだ。
早野さんの顔は…
アッ(察)
「社長?私何も聞いてないんですが?そういうのは事前に言ってくださいと何度も言ってますよね?なんで毎回毎回直前になってから言うんですか?バカなんですか?」
早野さんが社長の前に仁王立ちをして言う。
その構えはどうみても地獄の門番である。
後ろには妖怪がたくさんいる。
百鬼夜行ダァ。(現実逃避)
I'm怖いです。
明らかに空気が凍っている。
普通に物理的にも冷気が漂い始めている。
社長が床に膝をつけてガクガク震えているが,その気持ちは痛いほど(物理的にも)わかる。
まぁ社長が蒔いた種だから自業自得なんだけどね。
俺に被害を与えないでほしいなぁ。
そういえば時間はいつからなんだろ。
俺ちょっとATMでお金おろしたいんだけど。
あれ?
待てよ。
なんかこれ既視感あるぞ?
ふと嫌な予感がしたので俺は社長に集合時間を聞いてみる。
「ちなみに社長。集合時間は?」
「ん?ああ!確か12時集合だったぞ!」
【現在時刻11時45分】
あ,これめっちゃ既視感ある。
こういうとこは一緒なんだな。
軽く現実逃避をしていると俺の足元が凍り始めた。
え,冷た。
「社長?後で少しお話があります。観念して大人しく社長室で待っていてくださいね?」
やばい。
非常にやばい。
早野さんがめっちゃ怒ってる。
美人なのに鬼の形相だ。
額には青筋がいくつも浮かんでるし,なんか手からビキビキって音がしてる。
何より,この部屋が凍り始めている。
ヤババババババババババババ。
「って言うか時間!早野さん!すいませんが車じゃ間に合いません!ちょっと失礼しますね!」
「ふぇ!?//」
そう言って俺は早野さんを抱える。
いわゆるお姫様抱っこと言うやつだ。
これ初めてやったけど,結構恥ずかしいね。
抱えてる人と顔が近くなるわ。
それに早野さんめっちゃ美人だから余計に心臓に悪い。
だが今は時間がやばい。
俺は会社に出勤するのと同じように走って試験会場に向かう。
「ちょ,ちょっと麗目さん!?//周りのし,視線が!//」
「口閉じてないと舌噛んじゃいますよ!?」
「それでもこれは恥ずかしいですー!」
俺はその言葉を無視して全速力で会場へと走る。
うん。
早野さんが言ってる通り,周りの視線がだいぶ痛かった。
しょうがないでしょ!?
緊急だったんだから!
そして現在時刻は…?
【現在時刻11時55分】
「はぁはぁ,間に合った…。」
俺に抱えられている早野さんを見ると顔を逸らし片手で目元を隠している。
しかも顔はほんのり赤い。
ちょっとエッチだ。
だがそれ以上に心配が勝つ。
体調でも悪くなったのかな?
「早野さん,大丈夫ですか?」
そう聞くと早野さんは我に帰った。
顔を赤らめながらも身体を起こして俺の腕から降りる。
反応してくれない。
早野さんは俺の言葉に返事をせずにそそくさと受付に行ってしまった。
え?本当に早野さん大丈夫だよね?
◇
試験会場は高校の入学説明会みたいな感じだった。
椅子がたくさん置いてあって,俺は指定された番号の席に座る。
試験会場に入ると麗目さんは「頑張ってください。」とだけ言ってどこかに歩いて行った。
やっぱり顔は赤いままだった。
ほんとに心配ですね。
はい。
今はもらったパンフレットを見ながら待っています。
『なるほど。これ見て再度思ったけど,あの社長たちやっぱ只者じゃないでしょ!?』
どうやらパンフレットの情報によるとSSランクになれる確率は全体の約0.0001%しかないらしい。
しかも探索者は世界に1億人もいるらしいから単純計算でSSランクは世界に1万人という事になる。
そう考えると社長たちのヤバさが浮き彫りになってくるね。
俺が呆れていると,隣に誰かが座ってくる。
「パパから聞いたけど,あなたが今日の私のパートナー?」
ん?
ドユコト?
急に女性に話しかけられて俺は少しテンパった。
その人は綺麗な黒髪を肩で揃えた女子高生だった。
瞳は黒色で人を圧倒させるような意志の強さが感じれる。
『って観察してる場合じゃない!』
「えっと,何のことでしょう?」
え,俺おかしくないよね俺こんな経験ゼロだよ!?
急に女子高生に話しかけられてテンパらない方がおかしいよね?
てゆうかこの子,誰かに似ている気がする…。
確か最近会ったばっかの誰か…。
誰だったっけ?
「はぁ,やっぱり何も聞いてないのね。うちのバカお父さんがごめんなさい。私は,
あー。
なるほどね。
道理で目元が似ているわけだ。
まぁあの社長のことだ。
言い忘れたとかだろう。
早野さんには報告しないでおこ…。
俺,巻き込まれたくないしね。
それより,俺も自己紹介をしないといけないな。
「俺は麗目隆です。今日はよろしくね,石狩さん。」
そう言うと彼女は頬を膨らませムッとした表情で俺を見上げる。
さっきまでは大人っぽさが勝っていたが,彼女がその仕草をすると今度は子供っぽさが勝つ。
要するに可愛いということだ。
ていうか,早野さんも石狩さんもめっちゃ美人なんですよ
だから周りの視線がすごい。
俺はめちゃめちゃ居た堪れないです。
「え,えっと何かな石狩さん。」
「名前ー。」
『ん?名前?どういうことだ?』
説明開始のアナウンスが流れる。
石狩さんは少しの間,こっちを見上げていたがすぐに会場前方を向いた。
「名前で呼んでくれてもいいじゃん。」
彼女は何か小声で言っていたが俺には聞き取れなかった。
エ?
マジデドユコト?
────
きゃぁぁぁ〜。
どうも幸ちゃんに心打たれたぞーすいです。
え?お前が書いてる物語だろって?
しーらない!
ということで第三話!どうだったでしょうか。
私は幸ちゃんが可愛かったのでOKです。
もし面白ければ⭐︎や♡,コメントよろしくお願いします。
また,話が進む中で分からない点などがあれば,気軽にコメント,または近況ノートの質問箱の方にコメントしていただいて構いません。
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。
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