第2話 地獄を見ましたか?
【入社一日目】
あのぉ…,はい。どうも麗目隆です。
今,『STEP UP株式会社』の社長室にいるんですが…。
『くっそ気まずい…。』
まだ俺1人で待たされるくらいなら全然良いんですけどね?
いや,全然良くないんだけどね?
なんでよりにもよってめっちゃ美人な女性の秘書さんと20分も一緒の部屋にいないといけないの!?
俺,こういう経験ゼロだよ!?
まじで緊張と焦りで吐きそうなんですけど…。
俺がソワソワしていると秘書さんが気まずそうに話しかけてくれた。
「あ,あの。私,社長の秘書を担当させてもらっている
子供かなー。てか,めっちゃ既視感あるんだよなぁ。
どこぞの社長にめっちゃ似てるなぁ。
「いや,大丈夫ですよ。うちのバk…社長も全然時間守んないんで。」
そう,あのバカ社長も時間を守ったことがほとんどない。
「麗目さんの会社ってあの【疾風】で名が知れている『日進社』ですよね?あんな大手の会社で次期社長さんなんてすごいですよね。やっぱり仕事も大変なのでしょうか?」
ん?【疾風】?なんのことだ?
「やめてくださいよ早野さん。うちは全然大手じゃないですよ。仕事はめっちゃ忙しいですけど…。」
そう話していると社長室の扉が開き,1人の大柄な男性が入ってきた。
『お!君が
うん。うん?なんか早野さんがめっちゃでかい男性を蹴飛ばしたんだけど?
もしかしなくてもあの人,『STEP UP株式会社』の社長さんだよね?
「社長?別に私を待たせる分には良いんですよ?いや,よっぽどの理由がない限り人を待たせるのは良くないんですけどね?外部の人は待たせちゃダメでしょうがぁぁ!!」
いや,だからと言って社長を蹴って壁に埋めるのも良くないからね!?
え?良くないよね!?
『お,おう。千早か。すまんすまん。ちょっと昨日深夜アニメを見すg…グォォォォ!!??』
…。はい。麗目隆です。
僕は地獄なんて見ていません。カオスしか見てません。
あ,おんなじだって?ごめんごめーん⭐︎
あは,あははー。
軽く現実逃避をしていると服の埃を払った社長が俺にスライディング土下座をかまし,社長室の惨状から一旦場所を移すことになった。
『そんじゃあまずは自己紹介だな。俺はこの会社の社長をやってる【剛破】こと
ん?
「先ほども紹介しましたが,このバカ社長の秘書をやらせてもらっている早野千早です。ランクはSSです。よろしくお願いします。」
ん?んー?
どう言うことだー?俺,ランクなんて知らないぞ?
て言うかそんなものがこの世界に存在してたのか?
「あ,あのー。大変申し訳ないのですが,ランクって何ですか?」
「へ?」
早野さん。ごめん!そんなビックリしないで?言った本人もビックリだから。
『お!そうだったな!それに関しては淳二とサプライズで伝えようって話してたんだった!すまんすまん。また後で話すぞ!』
はぁ…。もう考えるのがめんどくさくなってきたな…。
「早野さん。」
「麗目さん。」
お互いに目線を合わせる。
そして一言…。
「「うちのバカ社長がすみませんでしたぁぁぁぁ!!」」
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