2 社畜の鏡 彼にとって土下座は安いものです(改稿済)

『前回の振り返り』


時間にルーズな社長に麗目君が振り回された!以上!

それでは本編へどうぞ。


────


『社畜の鏡 彼にとって土下座は安いものです』


【入社1日目】


 あのぉ…。

はい,どうも麗目隆です。

あの後全力で走ってなんとか10時45分に着くことができました。

途中社長から電話が来ていたがとりあえず無視しました。

緊急じゃないから大丈夫!

そして今,『STEP UP株式会社』の社長室にいるんですけど…。


『くっそ気まずい…。』


はい。

めっちゃ気まずいです。

まだ俺1人で待たされるくらいなら全然良いんですけどね?

いや,全然良くないんだけどね?

なんでよりにもよってめっちゃ美人な女性の秘書さんと20分も一緒の部屋にいないといけないの!?

俺,こういう経験ゼロだよ!?

まぁ大手企業の社長ともあろう人が時間に遅刻するはずなんてないよな!

現在時刻は〜?


【現在時刻11時20分】


うん知ってた。(泣)

というかあのバカ社長の幼馴染なんだ。

まともな人だったら逆に怖い。

だってあの遅刻常習犯の幼馴染だよ?

類は友を呼ぶって言うでしょ⭐︎(現実逃避)

というかなんで俺はこんなに社長に良いイメージを持ってないんだろう…。

まぁいっか。

それよりも今はこの状況をなんとかする方が大切だ。

まじで緊張と困惑で胃の中がミックスシェイキングされて吐きそうです。

はい,ごめんなさい。

ちょっとふざけました。

てへぺろ⭐︎

キツイとか言うな。

現実逃避だよこんにゃろー。

俺が現実逃避をしていると秘書さんが気を遣って話しかけてくれた。


「あ,あの。私,ここの社長の秘書を担当させてもらっている早野はやの千早ちはやです。すいませんうちの社長が。あの人時間を守るのが苦手なので。他にもまだまだ幼稚なところがあるんです…。」


なんかなー。

めっちゃ既視感あるんだよなぁ。

どこぞのバカ社長にめっちゃ似てるなぁ。

安心して。

別に俺の会社の社長のことを言ってるわけじゃないから。

どこぞのピンク頭のことを言ってるだけだからね?


「いや,大丈夫ですよ。うちのバk…社長も全然時間守んないんで。」


そう,あのバカ社長も時間を守ったことがほとんどない。

そのせいでどんだけ俺が苦労したことか…。

今思い返してみても泣きそうになってきたわ。

あれ?

目から水が出てきた。


「それよりも麗目さんの会社ってあの【疾風】で名が知れている酒呑淳二さんの会社ですよね?あんな大手の会社で次期社長さんなんてすごいですよね。やっぱり仕事も大変なのでしょうか?」


ん?【疾風】?なんのことだ?

まぁとりあえず大手であることは否定しなければ…。


「やめてくださいよ早野さん。うちは全然大手じゃないですよ。仕事はどこかの誰かさんのせいでめっちゃ忙しいですけど…。」


「そんなに謙遜しなくても大丈夫ですよ。ですが,やっぱり仕事は忙しいんですね。お互い苦労してそうですね。」


「そうですね。」


そう言って早野さんはため息をついた。

おそらく俺と同じように社長に振り回されているのだろう。

これでここの社長がどんな人なのか分かった気がする。


『うちの社長と瓜二つやんけ…。』


これから来るであろう激務と無茶振りに胃が少し痛んだ。

俺たちが話していると社長室の扉が開き,1人の大柄な男性が入ってきた。

一目見ただけでわかるヤバさ。

それがどこから発せられているのかは言うまでもないだろう。

その真緑に染まった髪の毛のせいだ。


「お!君が淳二じゅんじが言っていたイケメンハイスペ天才くんk…グフォォォ!!」


うん。

うん?

なんか早野さんが緑髪の男性を蹴飛ばしたんだけど?

もしかしなくてもあの人,『STEP UP株式会社』の社長さんだよね?

どう見てもあの緑髪はうちのバカ社長とのお揃いだよね?

早野さんの行動に驚く暇もなく,社長への説教が始まった。


「社長?別に私を待たせる分には良いんですよ?いや,よっぽどの理由がない限り人を待たせるのは良くないんですけどね?外部の人は待たせちゃダメでしょうがぁぁ!!」


いや,だからと言って社長を蹴って壁に埋めるのも良くないからね!?

え?

良くないよね!?

なんか別に大丈夫な気もしてきたな…。

社長,ドンマイ(泣)


「お,おう。千早か。すまんすまん。ちょっと昨日深夜アニメを見すg…グォォォォ!!??」


「早野さん!?まだ社長が喋ってますよ!?」


「ツッコむところそこですか!?」


はい。

社畜の鏡,麗目隆です。

僕は地獄なんて見ていません。

カオスしか見てません。

あ,おんなじだって?

ごめんごめーん⭐︎

あは,あははー。

知ってた?

人間は理解できないことが起こると笑っちゃうんだよ?

知識が一個増えたね!

ヤッタァ!(泣)

はい,嘘です。

ごめんなさい。


軽く現実逃避をしていると服の埃を払った社長が俺にスライディング土下座をかまし,社長室の惨状から一旦場所を移すことになった。

流石にあのボロボロの社長室でをするのは気が引ける。

まずなんで社長室がボロボロなんだって話ですけどね。

なんでだろう。


「そんじゃあまずは自己紹介だな。俺はこの会社の社長をやってる【剛破】こと石狩いしかりしんだ。一応ランクはSSでやらせてもらってる。これからよろしくな!」


『ん?』


なんか俺の聞き慣れない単語があったような。

まぁ,気のせいだよね。


「先ほども紹介しましたが,このバカ社長の秘書をやらせてもらっている早野千早です。ランクはSSです。主に麗目隆さんのマネジメントをさせていただきます。どうぞ,よろしくお願いします。」


『ん?んー?』


どう言うことだー?

ランクってなんだ?

俺,ランクなんて知らないぞ?

て言うかそんなものがこの世界に存在してたのか?


「あ,あのー。大変申し訳ないのですが,ランクって何ですか?」


「へ?」


早野さんは鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。

それに釣られて俺の目からは水が…。


『早野さんごめん!そんなビックリしないで?言った本人もビックリだから。』


「お!そうだったな!それに関しては淳二とサプライズで伝えようって話してたんだった!すまんすまん。また後で話すぞ!」


「「なるほど…。」」


なるほど。

これはあれですね。

そう,あれですよ。

あれ。


「早野さん。」


「麗目さん。」


お互いに目線を合わせる。


そして一言…。


「「うちのバカ社長がすみませんでしたぁぁぁぁ!!」」


やっぱり土下座しないといけなかったか…。

はぁ。

帰りたい。


────


作者のぞーすいであります。

第二話はどうだったでしょうか?

個人的には千早さんに可愛いギャップ要素を入れたいのでwkwkしております。

今後の展開をお楽しみに…。


もし面白ければ⭐︎や♡,コメントよろしくお願いします。

また,話が進む中で分からない点などがあれば,気軽にコメント,または近況ノートの質問箱の方にコメントしていただいて構いません。

これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る