第11話
その人は大きな溜め息をつきながら呟いた。
そうしているうちに救急隊員が担架を持って私達のもとへやってきた。
「意識レベル1-1、バイタルが、、パルス102、多量の嘔吐あり、念のため、名古屋南桜総合病院へ搬送して下さい。僕も一緒に行きます。」
私を強く引っ張ったその人は救急隊員にそう告げた。
意識レベル?
バイタル?
パルス?
「わ、わかりました。あの、、あなたは、ドクターですか?」
救急隊員は私を担架に乗せながらその人に尋ねる。
その人は写真入りの身分証明書を見せながら頷いた。
名古屋南桜総合病院 産科医師
日詠 尚史
Nagoya minamisakura general-hospital
M.D.
背が高いその人は上半身を小さくかがめながら救急車に乗り込んで来た。
「血圧、測って・・・多量の嘔吐してるから、点滴早めに入れたいんだけど、セットありますか?」
そして、その人はテキパキと救急隊員に指示し始めた。
自ら命を絶とうとした私の腕を引っ張ったのは
人の生命が生まれてくる時に必要とされる・・・・・・・産科医師だった。
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