第7話

本気で付き合っていた彼氏に三股をかけられた上に捨てられ、精神的に堕ちるところまで堕ちていた私



そんな私に突然のしかかってきた解雇によって自分で自分の手首を切るリストカットにまで手をそめたけど


死にきれなかった私は


電車への身投げを試みようと日曜日の早朝、最寄りの駅から2つ離れた、知人がいなさそうな駅に歩いて向かう。






昨日までの大雨が嘘のように、その朝の空は雲ひとつない澄んだ青色。


チチチと小鳥のさえずりがかすかに響いていた初秋の朝。





そんな気持ちのいい朝だったけれど・・・


人生に行き詰まったと思い込んでいた私は死へ向かって歩き始めていた。






駅に着いた私は切符の自動券売機で160円切符を買おうとした。


チャリーリーーーーン



自動券売機に入れ損なった50円玉が指をすり抜けて床の上に転がり落ちた。


それを拾おうとした私の右手はかすかに震える。




やっとの思いで50円玉を拾い上げ、切符を買った私はようやく自動改札を通った。

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