第3話
仕事も順調に進み始めた
それまで全く頭の中になかった恋という存在も・・・
大学3年の時に合コンで知り合った初めてできた彼氏と4年も付き合いが続いていた
25才に彼と結婚して
3年は子供を作らないでキャリアアップして
それから子供を一人だけ作って
産休、育休を取得後に職場復帰して
更にキャリアアップ
これが私の
踏み外すなんてことは決して許す事ができない完璧な人生のレールだった
けれども、25才の結婚まであと1年の私は
彼に二股どころか
三股をかけられてたのを知り
彼に真実を教えてって詰め寄ったら
簡単に捨てられ
私が作り上げた人生の勝ち組列車のレール上からあっけなく弾き飛ばされてしまう始末
挫折なんて言葉は私の中では有り得ない言葉だったのにこの歳になって初めて知った
だからどうしたらいいのかわからなくて
ただただ先のみえない不安に襲われて
私の精神状態は堕ちるところまで堕ちていった
すきっ腹に赤ワインを浴びるように飲み、気分が悪くなり、喉元まで自分の指を突っ込んで全部吐き出す
すっきりした胃に今度はよく冷えた白ワインを浴びるように流し込む
そんな事を繰り返しても現実逃避できなくて
極度の不眠状態に陥った
市販されている睡眠導入剤をちょっと多めに飲んでみたけれどやっぱり眠れない
このままじゃ自分は本当におかしくなっちゃうと思い、飛び込んだ心療内科で処方して貰ったちょっと強い睡眠導入剤を生温い水と一緒に口の中に放り込んでベッドに入る
知らない内に目覚まし時計を止めていて
目が覚めた時には朝10時
会社に言い訳をする電話を入れる気力もなく
無断欠勤
そんな日が3ヶ月も続いて解雇
そして突然の解雇で私の薬漬け生活には拍車がかかった
それだけには留まらず、私は剃刀を使い、自分の右手で自分の左手首を切るようになった
私なんかどうせひとりぼっち・・・
たった一人の肉親である母親が死んでからずっとひとりぼっち
す初めての彼氏が現れた時にはひとりぼっちから解放されたと思い込み
彼に心だけではなく身体も許し
私のなにもかもが彼中心になり
彼は私の全てだった
でも、 彼の中で私はかけがえのない女性なんかではなく
彼の身体的欲求を満たす為の3分の1の女という便利な女というだけだった
もう誰も私を必要としない
誰も私を愛してくれない
だからもう死んじゃってもいい
そう思って剃刀を握り始めた
でも、左手首には浅い切り傷ばかり6本
気の小さい私には深い切り傷をつける勇気がなかった
どうやったら楽になれるだろう
その頃の私は、死=楽になるとばかり思っていた
だから
次こそ勇気を出して手首を切るよりも確実そうな方法で自分で自分を楽にしてあげることにした
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