若葉
白々しい真っ黒な心臓を突っつくと簡単に悲鳴を上げる。
青々とした若葉のように、思春期の心は激っていて飄々と世を渡るけれど、若葉はすぐに枯れてしおらしく垂れるから。
人間社会の轟くような渦に巻き込まれて消えていく朝霧のように。
私たちはまだ知らない。
投げ出されて、揉まれて、くすんでいく雑巾のような生乾きの感情が、沸々と温度を高める。
あぁ滑稽だろう、そんな風に笑えるほど余裕があるならばどんなに救われただろうか。憎たらしい笑みを浮かべる大人はそうやって新芽を摘んでは捨てていく。
顔を赤らめるほどに感情を昂らせた先にあるものが未来なのならば、私はまだそこに至らない。
何とも青い、若葉のつぶやきだ。
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