若葉

雨野 メア

 空は、まだ夜残る青色と始まりの橙色が重なり合って、空気遠近法が顕著に現れる芸術作品としてそこに広がる。

 

 雀が鳴く。

 

 カラスが飛び立つ。

 

 鳩が舞う。

 

 鳥たちが告げる朝の訪れを、憂鬱な、鬱陶しいと思ってしまうような人間は。

 

 布の隙間で時間に抗う人間は。

 

 まだ、空を知らない。

 

 飛ぶことを知らない雛鳥のように、餌を待ち望み気に入らなければ鳴き出す、果たして鬱陶しいのはどちらだろうか。

 

 空が橙色に支配されていくと、黄色味がかった太陽が笑う。あぁそうだ、空はこんなにも美しきかな。

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