第6話:濡れちゃいそう。
「いくら顔が涼介でもあなたは死神のアルね」
「まあ、そう思うならそれでいいよ・・・別に僕はどっちでもいいから」
「うん、よろしくねアル・・・いっそ涼介じゃないほうがいいかも」
「毎日涼介の顔見てると辛くなりそう」
「そうか、この顔かえって逆効果だったかな」
「他の人になれないの・・・涼介以外で・・・」
「なれるけどいいのかな?」
それじゃ〜とアルはドクロのマスクを被った。
「なんでマスク被るの?」
「僕の顔が歪んで変わっていくの不気味って言うかキモいしグロいし・・・」
「・・・・・・・・・」
「じゃ〜はい、これでどう?」
「あ、ダメ・・・イケメンだけど生理的にダメ」
「え〜ダメなの?・・・じゃ〜ちょっと待って」
「いちいちマスク被るの面倒くさくない?」
「キモい顔見られたくないから・・・」
そうやってアルは新しい顔を出すたびに向日葵に拒否られた。
「もう10回も顔変えてるけど・・・いいかげん決めてくれないかな?」
「あのさ、日本人のイケメン男子の顔なんて何千万人もいるんだよ」
「終わんないよ・・・こんなことしてたら・・・」
「だって、嫌いな顔の人とお誕生のお祝いしたくないんだもん」
「どこまで面食いなんだよ」
「私、基本的にぶちゃいくな人ダメなの・・・まあぶちゃいくでも許せる
ぶちゃいくってのもあるけど、個性的って言うの?」
「じゃ〜これが最後・・・嫌だって言ってももう変えないよ」
そう言ってアルはマスクを取った。
「いい・・・うん、その顔いい・・・合格」
「最後だから、そんなにイケメンでもないけど・・・」
「いいの・・・涼介以外で私のタイプ・・・キスしてみたいって顔してるから」
「そうなんだ・・・分かんないもんだね人の好みって・・・まあタデ食う虫も
好きずきって言うからね」
「うん、いい、アルのこと好きになっちゃいそう」
「おう、それはいい傾向・・・どんどん好きになって?」
「じゃ〜向日葵ちゃんの好みが決まったことだし君のお誕生日祝おう」
「改めて17歳のお誕生日おめでとう向日葵ちゃん」
「ありがとう・・・アル・・・うん、その顔いいわ・・・濡れちゃいそう」
「そう?・・・・え?なに?今なんてった?」
「あいや〜、つい言葉が滑っちゃった、気にしないで」
「そんな可愛い顔して女子高生のくせに熟女みたいな発言するんだ」
「だから、いいってば、もう恥ずかしいから言わないでよ」
「分かった・・・でも君のクチからそう言うエッチい言葉が漏れるって、
めっちゃ親近感感じるかな?・・・僕もスケベだから」
「もういいってば」
「そうだ・・・バースデーケーキ買って来てるから一緒に食べよう」
テーブルの上に特大のバースデーケーキが置かれた。
で16本ロウソクが立てられて、アルがロウソクに火をつけて、向日葵が
吹き消した。
「おめでとう・・・さ、半分づつ食べようぜ〜」
「アル、せっかくだけど、これ半分食べるってキツいよね」
「明日まで取っとけばいいじゃん、明日もお誕生日、祝えばいんだよ」
「あのさ、私のお誕生日祝ってくれてありがとう・・・お返しになにかして
あげたいんだけど・・・セックス以外で・・・セックス以外で」
「二回も言わなくていいよ」
「重要なことは二回言うの!!」
「まあ、セックスはそのうち・・・じゃ〜向日葵ちゃんの生パンツ見せて?
お願い・・・寝る前に少しだけパワーチャージしときたいから」
つづく。
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