第3話:セックスが一番効果的。

「それは無理だよ、世界中探したって死んだものを生き返らせるやつなんて

いないよ・・・たとえ安倍晴明でもお釈迦様でも神様でも悪魔でも無理だね」


「そうですよね・・・やっぱり私、死にます」


「待ってよ、だめだって」

「明日は向日葵ちゃんの誕生日でしょ?」


「そうですけど・・・よく知ってますね、でも私は今日で終わるから

どうせ誕生日なんて来ないです・・・」


「だから〜待ってって・・・たぶんだけど明日の誕生に素敵なプレゼントが

届くと思うよ」


「プレゼント?」

「そんなのどうでもいいです・・・もうどうだっていいんです」


「そうやって自虐的になるからいけないんだよ」

「向日葵ちゃんは悲しみに囚われすぎ」

「あのさ、じゃ〜さ、僕に騙されたと思って僕を信じてくれないかな

きっと向日葵ちゃんが一番喜ぶプレゼントだと思うんだけど・・・」


「もしそのプレゼントが向日葵ちゃんが欲しかったプレゼントならダイブ

するの止まってくれる?」


「私には涼介以外考えられないから・・・」


「そう言わずにさ、今日は死ぬのをやめてこのままアパートに帰って明日、

君の誕生日の日にさ、僕と楽しく過ごさない?」

「ひとりよりふたりって言うでしょ?」


「アルフレッドさん・・・なんでそこまで私に構うんですか?」


「うん・・・僕ね、向日葵ちゃんと、めっちゃセックスしたいからね

・・・あ、ごめん、そうじゃなくて僕、君に恋しちゃったから・・・」

「一目惚れね、君のパンツに・・・」

「それって君に構う立派な理由でしょ?」


「パンツに一目惚れって・・・なにそれ?」


「あのね、いいこと教えてあげようか、僕って基本ご飯食べないの・・・

でもね、その変わり女の子のパンツを見たり臭い嗅いだりすることでパワーが

みなぎるんだよ」

「特に好きになった子のパンツ、すなわち向日葵ちゃんのパンツが理想的だね」

「ただし、おばさんのパンツは逆効果になるんだけどね」


「まあ、おばさんって言っても40歳までが僕の許容範囲かな、あと人妻とかは

ギリセーフだね・・・人妻は独身女性にないエロいフェロモン持ってるから」


「なんですか、それ・・・パンツがご飯の変わりって・・・まじでスケベで

ど変態な死神ですね」


「向日葵ちゃん人間レベルでモノを見ちゃいけないよ、人知では計れない

こともあるんだからね・・・既成概念い囚われちゃいけない、視野を広く

もたないと・・・」

「まあパンツの話は置いといて、とにかく僕は向日葵ちゃんがここからダイブ

して死んじゃうのは反対」


「ね、とりあえず死ぬのとどまろうよ・・・僕がついてるから」

「明日の誕生日僕と祝おう・・・ね、そうしよう?」


「で、お祝いしたあとはセックスしてさ、向日葵ちゃんを動けない

よう拘束して・・・おもちゃなんか使ってとってもイヤらしいことして

向日葵ちゃんが快感と喜びを感じたらまた生きる希望だって湧いてくるでしょ?」


「もう、すぐセックスって?なに?イヤらしいことって・・・本当まじ

スケベでど変態な死神」


「同じこと二回言わなくていいから・・・」

「あのね、気持ちを前向きに変えるにはセックスが一番効果的なんだよ」

「イヤらしい意味じゃなくてね、試してみれば分かるよ」


「死神とセックスなんて、絶対体が腐っちゃいますよ」


「大丈夫、セックスする前にちゃんと風呂に入って体の隅々まで綺麗に

するから・・・とくに僕のシンボルは皮が剥けるくらい綺麗にするから」


「もうクチから出る言葉がいちいちエロい!!」


「あのさ、セックス行為も女の子にも興味示さない男に魅力感じる?」


「スケベすぎるのも問題です」


今夜、死のうと思っていた向日葵はアルフレッドとのやりとりで気持ちが

ほぐれて心に余裕が生まれた。

アルフレッドが言ったように向日葵の中にも変態は潜んでいて彼が言った

「拘束して、おもちゃなんか使って」って言葉を聞いた時ゾクッとした。


そんな私欲もあって向日葵は死ぬのはいつでも死ねるし、ここにいつまでも

いたってしょうがない・・・そう思って涼介にそっくりなアルフレッドを

とりあえず自分のアパートに連れて帰ることにした。


つづく。

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