第7話 運命を知る

「いったいどうしたんだ?」

「ああ!いや.....なんでもありません.....。いや、なんでもなくはないのですが......」

ラシャの言っていることは要領を得なかった。

「......う~ん。......あなたの行先には王星が見えている。これは英雄の星....。でもそれだけじゃない。大きな破星も見えている。これは破壊の星。しかもこれは一国を滅ぼしかねないほどの大きな破壊をもたらす星だわ。こんな大きな運命、私は見たことがない。あなたは一体、何者なの?」

オリスには何も答えることができない。ただ数日前に見た夢を思い出していた。

オリスが見た夢には、血で赤く染まった世界があった……。

「これはつまり、あなただけの問題じゃない。これから、どこかでとても大きな戦争が起きる。そして、その中心にはあなたがいる。これはそういうことを表している」

ラシャはそう言ってオリスをじっと見つめる。

そのまましばらく時間が流れた。

「それで、彼は冒険者にはなれるの?」

ラシャが言った。

「分からないわ。私では判断ができない。」

「そう、じゃ仕方がないわね。」

ユリアはそういうとラシャに近づき、彼女の頭を触った。

「何をするの?」

そう言うとまもなく、ラシャは気を失ってしまった。

「あなたは今の話を忘れる。そしてオリスは問題なく冒険者になれる」

そこにユリアが言葉を放つ。

まもなく何ごともなかったようにラシャは目を覚ました。

「はい。あなた達は問題ありません。受付に戻って大丈夫ですよ」

言われた通り受付に戻り、職員から呼び出しを待った。

「一体、何をしたんだ?」

オリスがユリアに聞く。

「ちょっとしたおまじないよ。大丈夫だったでしょう。...それよりもラシャは驚いたことを言っていたわね。」

「僕が王になり、破壊をもたらすか? ....そんなバカな」

「さあ、どうかしら.....」

その時、受付から呼び出された。

二人は受付のカウンターに向かう。

「こちらが冒険者カードとなります。お二人の登録は終わりましたので、ご自由にお使いください。」

そういってギルドカードを渡された。

「ありがとうございます」

本当に問題なく登録が完了してしまった。オリスたちはギルドを出て街を見ることにした。

町の中心は噴水広場になっていて、周りには様々な店が立ち並んでいる。

「すごい賑わいだな。」

「ええ……。この街はとても活気にあふれているわ。」

二人で町を歩くと、やがて一つの店に目が止まった……。

それは武器屋であった……。

「あら?武器屋ね……。オリス、何か欲しいものはある?」

「いや特にないが....」

「でも、冒険者をするなら今の装備では心許ないわ。何か探しましょう.....」

そういうとユリアは中に入った。

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