第5話 港町ミデス

翌朝目覚めると綺麗に晴れ渡った青空だった。

「あなたはまだ寝ていたいようだけれど……。そろそろ行かなければ……」

私はユリアにつられて目を覚ます。

「さあ行こう!」

私たちは手を繋ぎ森を歩いた。

しばらく歩いて行くと、やがて森を抜けた。

そこは草原が広がり、遠くに大きな街が見えた。

私はユリアに手を引かれてその道を歩いていく。

街に着くと、ユリアが言った。まずは旅の装備を整えましょう。


ユリアは服を買い、旅に必要な荷物を用意した。

そして私たちは街を出る。

次の街を目指して歩き出す。

「これからどこに向かおうかしら……。」

「どこか……良いところはある?」

「ええ……。とても美しい所です……。でも……少し遠いです……。ここからなら……南に行けばたどり着けるけれど……」

「わかった。じゃあ行こう!」

ユリアと二人手を繋いで歩き続けた。

そして数日後、私たちは海に出くわしたのだった……。

海はキラキラと太陽の光を反射し輝いていた……。

私たちは船に乗り込むことにした。

船は行き先が決まっており、ユリアが目的地に着いたら降りると言って乗船した。

船は波を乗り越えて進んでいく。

やがて船は大きな港についた……。

「ここが……ユリアの目指した場所なのか……。」

「ええ……。とても美しい場所だわ……」

ユリアは感激して言う。

街の名前は、ミデスと言った。オーティリア公国にある港町で国内有数の名勝であった。

さまざま種族の人々が行き交い活気がある。露店は見たこともない品々であるれていた。

山の中で育ち、ずっと仄暗い盗賊家業を行なってきたオリスにとっては、海辺の港町は刺激が多く、眩しい場所だった。


ユリアはこの町にも馴染んでいるようだ。オリスたちは町を見て回ることにした。

まず最初に目についたのは大きな噴水だった。その噴水の周りには様々な人種の人が集まっていた。

エルフ、ドワーフ、獣人族、魚人族、龍人族などだ。そんなに多くの種族が同じ場所にいるのをオリスは見たことがなかった。

その噴水を取り囲むように建物が立ち並んでいた。

「ここは、冒険者ギルドという所です……。」

「冒険者ギルドかぁ……」

「そう……。色々な種族がここで集まり、冒険者と呼ばれる職業で生計を立てているわ……。危険な依頼を受ける代わりに報酬をもらう……。中には有名な冒険者もいるわ。でも……危険なものばかりよ……。それに依頼を受けるには登録しなくちゃいけないの。オリスは冒険者になりたいかしら?」

「ええ……。そうだね……。身分を証明するものはあったほうが良いかもしれない」

「それなら、この冒険者ギルドで登録しましょう。」

「しかし、僕は元盗賊だ。登録はできるだろうか...?」

「分からないわ。でも大丈夫。私に任せて。」

ユリアは私の手を引いてギルドへと入っていく……。

中に入ると大勢の人がいた。いろんな人種の人がいた。

オリスたちはカウンターに並んで順番を待つ。やがて私たちの番となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る