第3話 彼女の力

それから、ユリアは私に自分の過去について語り始めた。

ユリアは幼い時からいつも特別な存在だったそうだ。村の大人たちは彼女によく接した。村人たちも、彼女になついてもいたらしい。

「特別扱いされるのは嬉しかったけれど……。でも、私はただの村娘でした。……ただの人間でした……。そして、ある日、私は運命の人を見つけたのです。」

「運命の人……?」

「そうです。……彼と出会って、私は変わってしまったのです。……そして……私は……その運命の人に恋をしてしまったのです……。」

「恋……?」

「そうです……。私はその運命の人に恋をしたのです……。でも、私は……運命の人には愛されなかった……。そして……彼は……私が彼を愛しているということを知って、私を利用しようとしてきました……。だから、私は彼を……殺しました。……私の村を滅ぼそうとする彼を……殺してしまいました……。彼は、隣国の貴族の使いで私の村を、私の力を手に入れようとやってきていたのです。

私はその運命の人に騙されていました……。運命の人とは……そんな人だったのです……。

私は彼を殺してしまったが……、その罪を村の人たちに押し付けられてしまったのです……。

村人たちは事態を理解して、責任を私に押し付けました。彼の主人の貴族が何か悪いことをしてくるのではないかと考えていたからです。私の村はこの国では辺境にあり実りも少なく、遠くにある領都では私の力は知らないはずです。領主は相手にしないだろうとみんな考えました。」


しかし、隣国の貴族領は近くにあり、噂を聞いている。彼らは諦めないだろう。

「村の人たちは村のことを心配し、私を見放した。私は……罪人になってしまった……。

私は村の者たちから疎まれ、憎まれてしまった。だから……だから……私は……。」

ユリアは涙を流しながら言う。

「だから私は、村を……滅ぼしたのです……。あなたたちを利用することで。」

「どうやって利用したというのですか? 盗賊団の誰かに知り合いでもいるのか? その人を通じて村を襲わせたのか?」

「いいえ違います……。違うのです……。私の力は、村では人に幸せをもたらすと信じられていますが、私が恨めば不幸を呼べるのです。私は願いました。村が滅びることをだからあなたたち盗賊がやってきた。」

「信じられないが、あなたの悩みはわかりました。ユリア、あなたはこれからどうしたいのですか?」

「私はあなたに感謝します。私の話を聞いてくれてありがとう……。でも、私にはわからない。今はどうすれば良いかはわからない。ただ、あなたといるときは心が穏やかになります。

だから、あなたと一緒にいたい。そう……私はあなたに一緒にいてほしいのです……。」

「わかりました。あなたが望むなら、これからもそばにいることをお約束します。」

ユリアの言葉を聞いた私は決意した。

「いつか必ずユリアを幸せにします。それが私の夢です。」

「そう……。」

私はユリアに誓った。

その後、盗賊団は長く続いた戦争によって瓦解した。リーダーは死に彼女をめぐって盗賊団内ので争うがまた始まろうとしていた。

私はいち早くユリアとともに逃げ出すことを決めた。

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