Re.アース

第2話 未知への第一歩

サカキはしばし立ち止まり、Re.アースの風景を見渡した。この世界は、まるで夢のような光景だった。周りには、実在するかのような地形や建造物が広がっているが、その正体は虚構の産物に過ぎない。しかし同時に、これらはプログラムによって完璧に再現された本物そのものであり、感覚的にも精神的にも人間の現実世界と変わらない。

そして何より、この仮想空間には無限の可能性が秘められていた。環境問題や資源枯渇といった地球上の制約から解放され、人類は自由に未知を探検し、新たな文明を築き上げることができるのだ。

アバターのサカキは、緊張と期待感を胸に、AI案内人に促されるままに、先へと足を進めていった。やがて、巨大な円形の建造物が視界に飛び込んできた。これが、彼の作業スペースとなる施設のようだ。

「ここが、あなたのアトリエです。他のエンジニアたちも集まっています。一緒に、この世界の未来を築いていきましょう」

AI案内人は、円形の建物の入り口を指差した。そこには多くの人々の姿が見える。彼らもまた、それぞれの専門知識を活かしながら、Re.アースの発展に寄与しようとしているのだ。

サカキは少し緊張しつつも、前に踏み出した。まだ見ぬこの世界の可能性に心を震わせながら。新しい一歩を跳び越えるのは、時に恐ろしいことだが、同時に誘惑的でもある。そこには、人類の未来を描く鍵が隠されているのかもしれない。

サカキは、Re.アースの未来を担う一人として、その扉をくぐり抜けていく。