第6話 迷宮のルール
前回、ゴーレムとの激しい闘いを耐え抜いたエリオットは、何とか無事に生き延びることができたものの、心はまだ動揺していた。途方に暮れていた彼の前に、再びアメリアが現れる。
「どうだったかしら?初めての試練。」アメリアは微笑みながら尋ねるが、その表情にはどこか謎めいた雰囲気が漂っていた。エリオットは苛立ちと不安を隠せず、彼女に強く問い詰める。「なんでこんなことをさせるんだ!?僕は普通の高校生だぞ!」
アメリアはそれに対して軽く肩をすくめ、「それでもあなたは選ばれたの。あなたには役割がある。迷宮を突破することで、その『役割』に近づくのよ」と意味深な言葉を口にする。
しかし、エリオットにはその言葉の真意がまだ理解できなかった。彼にとって、この異世界や迷宮という非現実的な状況は受け入れ難いものであり、いくらアメリアが「役割がある」と繰り返しても、納得できる理由にはならなかった。
アメリアは続けて迷宮のルールについて話し始めた。「この迷宮には268層が存在し、それぞれの層には様々な試練が待ち受けているの。すべてをクリアすることができれば、あなたの運命も変わるかもしれないわ。」
「268層!?一体どれだけかかるって言うんだよ…」エリオットは驚きと呆れが混じった声を上げた。普通の人間がこの迷宮を全て突破するのは不可能にも思える。
「でも安心して。この本、『All in One』があれば、少しはあなたの力になるはずよ。」そう言ってアメリアはエリオットに本を差し出した。
「この本は、あなたに必要な力を与えるためのもの。けれども、全ての能力を引き出せるわけじゃない。必要なときに、必要な分だけが授けられるの。」
エリオットはその本を受け取りながら、まだ半信半疑だった。前回のゴーレム戦で得た「動体視力強化」は確かに役に立ったが、それだけでこの迷宮を突破できるのか、不安が募るばかりだった。
「次の層では何が待っているんだ?」エリオットは恐る恐る尋ねた。
アメリアは微笑を浮かべて、「それはあなた自身が確かめてみるしかないわ。自分の力で乗り越えること、それがこの迷宮の試練の醍醐味なの。」と答える。彼女はエリオットを試すような視線を送り、まるで彼がどのように対処するのかを楽しんでいるかのようだった。
エリオットはアメリアの謎めいた態度に苛立ちを覚えながらも、覚悟を決めるしかなかった。この迷宮に閉じ込められたからには、前に進む以外の道はない。心の中で恐怖を抑えつつ、彼は次の層へと足を踏み出した。
すると、彼の前にまたしても異様な空間が広がっていた。今度はゴーレムではなく、迷宮内には霧が立ち込め、視界が悪くなっている。エリオットは周囲を見回しながら慎重に進むが、次第に緊張が高まっていく。
突然、霧の中からかすかな音が聞こえてきた。鋭い金属音とともに、何かが近づいてくる気配がする。「また何か出てきたのか!?」エリオットは身構え、瞬時に手元の「All in One」を握りしめた。彼は次の試練に立ち向かう準備を整え、次なる恐怖の影に立ち向かう覚悟を固めたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます