第6話 黒煙
そんなわけで階段を上っている途中、なぜかたくさんの毛が落ちていて正直不気味な気持ちになった。色は金色だったり白色だったりバラバラだ。何だろうと思いながら上っていくとふと上の方から声がした。僕は気を付けて上るとどんどん声が大きく聞こえてくる。それに聞いたことのある声だ。これは多分...そして二階に着くとそこには猫だらけだった。その奥からさらに声が聞こえてきた。
「ようこそ館へ 俺の名前は文瀬 文瀬・スケアリー・エルフィンと言うんだ そしてこっちの方は...」
「あたしの名は笑子 美衣 この館の用心棒として雇われたんだ この後ちゃんとお給料入るよね?」
「あぁちゃんと入るさ」
一人はさっき猫の能力なのは分かるけどもう一人のグレネートランジャーを持った人は全く見たことがない顔だ。僕はさっきもらった弓を使って少し威嚇をしていたがあまり動じていない。どうしようかと考えていたらたまたま見えた鏡を使い反撃しようとしていたら突然鏡の中の僕の姿の様子がおかしかった。なぜかだんだん近づいてきて鏡の中から手が飛び出し僕の胸元を掴み恐ろしいような顔をしながら僕にこう言い寒気がし鳥肌が止まらなくなってしまった。
「...」
「何なんだあなたは...どうして僕と同じ見た目をしているんだ!」
「...」
全く話が通じない相手がよりによって僕と同じ姿をしているだけに倒すのが躊躇する。それを見ていた二人が何か混乱した表情をしながらその場を後にして別の部屋に移動していた様子が見られた。
「...」
すると僕の後ろから姿忌さんの声が聞こえた。その声は落ち着きながらも少し悲しげな声が混ざっていたような気がした。そしてもう一人の僕について教えてくれた。
「あれはifの世界から鏡を使って来た小町でもし名前を付けるなら...『小町:黒煙』という名前になるでしょう 本来はこの世界に来てはいけない存在だけどどうしてこの世界に来てしまったんだろう...?もしかして黒煙と君の強い共鳴によって来てしまったとすれば...」
と姿忌さんが意味深なことを言いながらさらに僕に解説しようとしたところ、黒煙に身を包んだ僕の姿が急に消えてどこかに行ってしまった。あれは一体何だったんだろうと考えている間にさっきいたグレネードランチャーを持った人と猫が大量発生する人が僕の目の前に現れて僕にこう言った。
「さっきの何?あの君の似た黒い姿をしたあれは誰なんだ?」
「えーとあれは...ってあれ?姿忌さん?どこに行ったのー?...とりあえず共通する敵だと思うんだけどどうなんだろう?」
「どうなんだろうって言われていてもなぁ じゃあここは一回通してあのお嬢様の所まで行って異変解決でもしてくれ 本当に猿の手も借りたいよ」
と言いながら通してくれた。あとはあの神父の所に向うだけだ。そう思っていたんだ...
秋桜 @Kurenai011
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。秋桜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます