スケルトン構築と取材
スケルトン(シナプシス)とは、ストーリーの骨組みや、おおよその全体の粗筋の事を指します。全体構成の設計図となるので、一番重要な役割を果たす資料ともなります。そういう意味では、この段階での作業は大変であると予想されるでしょう。
これもまたAIを活用して省力化しつつ、自分の持つ知識だけでなく、ネット上にある情報ソースで拡張し、AIで妥当性を検証する──という流れになります。
前回にて構築した構想アイデアを基点とし、全体設計図を段階的に作り上げて行きます。これまでも
また、構築中に出てきたアイデア出しや、SF要素についての取材を同時並行していきます。当プロジェクトはSF作品で、いくつもの専門分野による知識集約が重要ポイントとなりますので、この段階で固めていく必要があります。
では実例に移りましょう。段階の踏み方としては、
1.起承転結を一行毎にまとめる。
2.各項目を一段階ほど細分化する。
3.細分化したものをAIで妥当性や整合性を問い合わせ。また、そこから連想
可能なキーワードを引き出す。
4.情報整理しつつ、スケルトン構築用ドキュメントにまとめていく。
──という感じで、細かく段階を増やさずにいく方針にしました。
こうする事で、遠いゴールだと感じず、一つひとつの作業に対し、カタルシスを得られやすくし、モチベーションを維持するためです。
この方針に基づき、実作業を始めます。
最初の起承転結についても、AIを利用する事でアイデア出しをする事はできますが、AI任せばかりだとオリジナリティが薄れます。使用するAIは大規模言語モデルなので、ネット上に存在する、あらゆるドキュメントが学習ソースです。つまり、出力されるのはそれら情報を統合した上で、平均的な回答をしやすい傾向があります。
王道ラインを突き詰めるのであればAI利用も便利なのですが、オリジナリティを出す時には、AIの回答を得た後に自認バイアスが掛かってしまい、自身のイメージにも悪影響を及ぼすリスクが内包されています。せっかくオリジナル作品を作るのですから、最初の組立部分は自力で頑張りましょう。
物語構成手法である、起承転結、序破急、そしてシンデレラ曲線(物語論用語)を意識しつつ、今回の全体構成は起承転結で決定しています。
シンデレラ曲線については図解での説明が適しているので、外部ソースを参照してください。MMD仲間でもあり、プロのSF作家である
(外部ソース:https://note.com/hiroe_suga/)
起承転結は全体構成に、章毎に序破急、複数エピソードの連結をシンデレラ曲線、というように使い分けるのも一つの手です。
これについてChatGPTに問い合わせてみましょう。会話は前回からの引き続き(同一トピック)で行います。
プロンプト:
話題を変えます。今私は、スケルトン(シナプシス)構築作業を行っています。
手始めに物語全体の設計図を書きたいと考えています。
この作業において、次のようなアプローチを予定しています。
「起承転結は全体構成に、章毎に序破急、複数エピソードの連結をシンデレラ曲線」
このアプローチについて、検証してください。
検証内容は、妥当性、メリット、リスクをそれぞれ提示してください。
<!-- ChatGPT Answer -->
このアプローチについて検証します。
◆ 妥当性
起承転結を物語全体の軸に置きつつ、章ごとに序破急を用いる構成は、日本の物語や伝統的な脚本手法と相性が良く、リズム感ある進行を実現するため非常に妥当です。また、複数エピソードの連結にシンデレラ曲線(徐々に盛り上がり、頂点で大きな感動を生む構造)を適用するのも、各エピソードに期待感と達成感をもたらすため、特に読者に継続的な興味を引かせるのに有効でしょう。この構成により、全体的にメリハリのある読みやすいストーリー展開が期待できます。
◆ メリット
1. 読み応えのあるリズム: 章ごとに序破急を適用すると、一定のサイクルで盛り上がりと解決があるため、読者に満足感を与えやすくなります。特にWeb小説の連載形式では、各章での起伏が求められます。
2. 継続的な期待感: シンデレラ曲線で複数エピソードを連結することで、エピソードごとの小さな成功や達成感を持たせつつ、物語全体の大きなクライマックスを目指す流れが作りやすく、読者が「次の展開」を期待しやすくなります。
3. 明快なテーマ展開: 起承転結で物語のテーマやメッセージを明確に示しつつ、各章でそれを掘り下げるため、読者にとってテーマが理解しやすくなると同時に、ストーリーの深みも増すでしょう。
◆ リスク
1. 複雑さによる混乱: シンデレラ曲線と序破急の組み合わせは、場面転換やキャラクター成長のタイミングを慎重に設計しなければ、逆に展開がわかりづらくなる恐れがあります。構成が複雑すぎると、読者がどこを頂点として期待すべきか混乱する可能性があるため、各エピソードの独立性や転換の明確さに注意が必要です。
2. メリハリ不足のリスク: 章ごとに起伏を入れすぎると、物語全体で本来強調すべきクライマックスが相対的に埋もれてしまう恐れがあります。全体の起承転結と章ごとの序破急がぶつかり合わないよう、バランスに注意しなければなりません。
3. 作業負荷の増加: この構成を保ちながらスムーズに進行するプロットを設計するのは、物語の複雑さを大幅に増加させ、作業負荷が高くなりがちです。細かい場面転換やエピソード間の連結が必要になるため、設計段階での徹底した整理と整理が不可欠でしょう。
◆ 総評
このアプローチは、構成上の一貫性と読者の期待感を高めるため、魅力的な選択肢です。しかし、構造が複雑になりすぎないよう、全体のバランスに細心の注意が必要です。
<!-- End of Line -->
続けて、出版社の編集マンの意見を代弁してもらいます。この作業は今回初めて行うので、どのような結果が出るか緊張します。場合によっては、今後の執筆の参考になるかもしれません。
プロンプト:
出版社編集者の立場から、この物語に相応しい構成方法を提案してください。
妥当性、メリット、リスクをそれぞれ併記してください。
<!-- ChatGPT Answer -->
編集者の視点から、物語の魅力を最大限に引き出しつつ読者がついてこれる構成方法として、「スロープ型のストーリーアーク」をベースにした「ピラミッド型エピソード構成」を提案します。この方法では、物語全体の起伏を徐々に高めていく一方で、各章やエピソードごとに小さなピークを設け、クライマックスへ向かって一貫した盛り上がりを構築するアプローチです。
▼ 構成方法:「スロープ型ストーリーアーク」と「ピラミッド型エピソード」
概要: 物語全体では一貫したスロープ(傾斜)を登る形で徐々に盛り上がりを積み重ね、クライマックスで頂点に達する「スロープ型ストーリーアーク」をベースに、各章では起承転結を簡潔に含む「ピラミッド型エピソード構成」を採用します。
章ごとに小さな完結性を持たせつつ、物語全体では右肩上がりに緊張感が増していくため、読者は飽きることなく全体を楽しむことができます。
◆ 妥当性
「スロープ型ストーリーアーク」は、ポストアポカリプスのように重厚で緊張感のあるストーリーに適しています。徐々に世界観が明かされ、謎が解きほぐされていくタイプの物語では、物語の進行に伴って緊張が自然に高まっていく構成が効果的です。また、ピラミッド型エピソードにより、各章に小さな達成感と引きを用意することで、読者にとっても一息つきつつ続きを期待できるようになります。
◆ メリット
1. 一貫した盛り上がりの確保: 物語全体の緊張感がスロープ状に高まるため、読者は徐々に物語の核心に引き込まれ、最後のクライマックスでのカタルシスが強調されます。序盤から無理に盛り上げを多用しないため、物語の大きなクライマックスが際立ちやすくなります。
2. 小さな完結感を保ちつつ読者の期待感を維持: 各章やエピソードで小さな起承転結を設ける「ピラミッド型エピソード構成」により、エピソード単位で達成感や物語の進展を読者に感じてもらいやすくなります。これにより、連載形式での読者維持にも効果的です。
3. キャラクターの成長やテーマの深化: 物語全体で徐々にスケールが大きくなり、章ごとに小さな問題を解決しながらテーマが深化していくため、登場キャラクターの成長や葛藤がより自然に描かれます。
◆ リスク
1. ペースダウンによる飽きのリスク: スロープ型のため、中盤で物語が一時的に停滞する恐れがあり、読者にとっては進行が遅く感じられる場合があります。このため、各章に引き込む要素を意識して配置し、序盤〜中盤のエピソードに程よい「謎解き」や「意外性」を配置する工夫が求められます。
2. 小さなエピソードが大きな展開に負ける可能性: ピラミッド型エピソード構成では、各章における小さな完結性を重視するあまり、全体の進行が断片的になりすぎるリスクがあります。各章をしっかり繋ぎ、物語全体のテーマや長期的な伏線を意識して整合性を保つ工夫が必要です。
3. クライマックスの盛り上がりに過剰な期待が集まるリスク: スロープ型アークでは、終盤で一気に盛り上がるクライマックスが強調されるため、読者の期待を満たすために、クライマックスのシーンや展開を十分に練る必要があります。終盤の展開が弱いと、読者の期待を裏切る結果になりかねません。
◆ まとめ
この「スロープ型ストーリーアーク+ピラミッド型エピソード」構成は、物語のテーマ性やキャラクター成長を重視したポストアポカリプス作品に適しており、各章にわかりやすい進展を持たせつつ、最終的なカタルシスを大きく引き出すことが可能です。
<!-- End of Line -->
これまた非常に(筆者的)に悪い結果が出ました。16年に及ぶ長いJC人生で、初めて聞くワードが出てきてしまいましたね。
「スロープ型ストーリーアーク」と「ピラミッド型エピソード」なんて知りません。検索しても良いのですが、手っ取り早く優等生ChatGPT君に聞いてしまいましょう。
まずはスロープ型ストーリーアークからです。必殺技でしょうか?
「次はオレのターン! 喰らえ! スロープ型ストーリーアァークッ!」
<!-- ChatGPT Answer -->
「スロープ型ストーリーアーク」は、物語全体を通じて徐々に緊張感や盛り上がりを積み上げる構成方法です。起承転結の構成を持ちながらも、物語が進むにつれて徐々にスケールや展開が大きくなり、緊迫感が右肩上がりに高まっていく「傾斜」のような形で進行します。主な特徴は、次のような点にあります。
■スロープ型ストーリーアークの特徴
1. 緩やかで一貫した上昇
- 序盤から急激に盛り上げるのではなく、物語の進行に合わせて徐々に緊張やスリルが増していきます。これにより、読者が物語にゆっくり引き込まれ、気づけば物語の中心へ深く入り込んでいるような感覚を提供します。
2. エスカレーション(段階的なスケールの拡大)
- ストーリーの大きなテーマや対立構造が徐々に明らかになっていくため、最初は身近な問題として描かれる状況が、徐々に世界的・存在的な問題にまで発展するように構成されます。序盤は登場人物や設定の理解に集中し、中盤以降に主要な問題が全面に浮かび上がり、終盤で大きなクライマックスに至ります。
3. 感情的・物語的な投資を高める
- スロープ型では、徐々に盛り上がりを強調するため、登場人物への感情移入やテーマの深化がしやすいです。登場人物の成長や、物語の持つテーマが自然に積み重なっていくので、クライマックスに到達する頃には物語の核心が読者にとっても明確になり、強いカタルシスを感じやすくなります。
4. 小さな山をいくつか配置
- 物語のテンポを一定に保つために、途中で小さなクライマックスや解決を設けて読者を引きつけます。これにより、物語全体が単調に感じられることを防ぎつつ、最終的な盛り上がりへの道筋を自然に作り出します。
◆スロープ型のメリット
- 読者が序盤から無理なく物語に入れるため、設定やキャラクターを深く理解してもらいやすいです。
- 終盤に大きなカタルシスをもたらすため、読み終わった後の満足感が高まります。
- 小さな山(小クライマックス)を適宜配置することで、長編作品でも飽きにくい構造になります。
◆ スロープ型の適用に適した物語ジャンル
ミステリーやサスペンス: 段階的に謎を明かすことで、クライマックスへの期待が高まる。
SFやファンタジー: 複雑な設定や壮大なテーマを段階的に描き、読者が世界観を徐々に理解する構成に適している。
成長物語: キャラクターの成長や変化を少しずつ描くため、成長や変化が物語に合わせてゆっくりと積み上がる。
◆ スロープ型の典型的な例
「ハリー・ポッター」シリーズ: 物語が進むにつれて敵や対立のスケールが大きくなり、最終巻での対決が一番のクライマックスになる。
「指輪物語」: 仲間の旅が進むに連れて対立が次第にシリアスになり、終盤の戦いでクライマックスを迎える。
このアークは、ポストアポカリプスやディストピアのように、徐々に展開される謎や、段階的な危機を描くことでストーリーが進行する作品に適しています。
<!-- End of Line -->
同一トピック内であれば、横道にそれても前提が維持されるので、これまでの会話内容を踏まえての説明をしてくれます。このプロジェクトとの親和性も教えてくれました。
スロープ型ストーリーアークは、小さな山を作りながら、徐々にスケールを盛り上げつつカタルシスを得る方法、というのが理解できました。
言葉自体は今初めて知りましたが、中学校の授業で習った、それとなく覚えのある作文方法ですね。
続いて、「ピラミッド型エピソード」についても問い合わせます。
<!-- ChatGPT Answer -->
「ピラミッド型エピソード」は、物語の中でエピソードを構成する方法の一つで、エピソードを順に重ねていき、物語の大きな山場やクライマックスへと進む構成です。 この方法では、エピソードが単独で完結するのではなく、それぞれが次のエピソードへと繋がり、最終的には全てが頂点(ピラミッドの頂上)で集約される形になります。
◆ ピラミッド型エピソードの特徴
1. 各エピソードが土台から頂点までの「階段」:
- エピソードは順序をもって段階的に積み重ねられ、物語全体のピラミッドの土台から頂上までを形成します。序盤のエピソードは導入や基礎的な設定の説明に当てられ、中盤のエピソードで複数の物語ラインが絡み合い、終盤でそれが全て収束して最終的な頂点(クライマックス)に達します。
2. テーマやキャラクターの成長が段階的に展開される:
- 各エピソードが物語全体のテーマやキャラクターの成長を掘り下げるため、ストーリーを通して「積み重ね」を強調します。読者は段階的に成長や謎が解き明かされていく過程を追い、頂点で全ての謎やテーマが明らかになります。
3. 複数の視点やプロットラインを収束させる:
- 複数の視点やプロットラインがある場合、それぞれのエピソードで異なる側面を描き出し、頂点で全てが交差するように設計されます。個別に進んでいた物語がやがて一点に収束し、全てが連動して大きなインパクトを生み出します。
4. エピソードごとの独立性:
- 各エピソードは、それ自体で一定の起承転結が完結するように設計されることが多いです。これにより、物語がスムーズに進むだけでなく、各エピソードを通じて新たな情報やヒントが少しずつ提示されるため、読者が最後まで飽きずに読み進められます。
◆ ピラミッド型エピソードのメリット
- 構造的に理解しやすく、ストーリーの進行を段階的に示すことで、読者が物語に引き込まれやすくなります。
- 各エピソードに役割が明確に割り当てられるため、物語全体に無駄が少なくなり、エピソードごとの盛り上がりも確保できます。
- 読者に徐々に情報や謎が提供されることで、最終的な頂点に到達するまでの期待感が高まります。
◆ ピラミッド型エピソードのリスク
- 構成が整然としすぎると、物語が予定調和に見えてしまうリスクがあります。予測可能な展開を避けるために、適度なサプライズや変化が必要です。
- 各エピソードの目的が明確に設定されていないと、物語全体の流れが散漫になり、ピラミッドが崩れる可能性があります。
- 段階的に謎や情報を出すため、各エピソードでの展開が煩雑になると、読者が混乱する可能性もあります。
◆ ピラミッド型エピソードが適した作品ジャンル
- ミステリー・サスペンス: 複数の謎が次第に交差し、最終的に大きな真相にたどり着く物語に適しています。
- ファンタジー・SF: 広がりのある世界観を段階的に開示し、壮大なクライマックスに至る構成に向いています。
- アドベンチャー・バトル物: キャラクターが徐々に成長し、困難を乗り越えていくことで、最終的に大きな目標に達するストーリー構成に適しています。
◆ 例
- 「ワンピース」: 各島ごとにエピソードが完結しつつ、それぞれが繋がりを持ち、最終的なゴールを目指しています。
- 「進撃の巨人」: 各エピソードで新たな情報や謎が提供され、物語全体のテーマが段階的に深まる構成です。
ピラミッド型エピソードは、複雑で多層的な物語を段階的に構築したい場合や、個別のエピソードを積み重ねて大きなインパクトを生み出す物語に向いていると言えます。
<!-- End of Line -->
この情報から、ストーリー全体で収束へと向かう構造であるという事が分かりました。文面だけ見ると、スロープ型とピラミッド型は矛盾しているようにも見えますが、
・スロープ型 :スケール感を広げていく(展開の期待感)
・ピラミッド型:カタルシスやスッキリと終わらせる為の手段(満足感)
という解釈ができます。
また、ChatGPTの回答例にあるように、スロープ型ではSFやサスペンスなどの硬派系ストーリに、ピラミッド型ではアニメ的構造に親和性が高い事が伺えます。
この2つの要素は、今回のプロジェクトでも非常に有効なので、今後に活かして行きます。既に公開しているエピソードも、どこかの段階で改善するべきだという事が分かりました。
これまで
何度かAIに問いかけつつ回答をフィードバックする事で、スケルトン構築作業がだいぶん楽になります。一人でうんうんと悩むよりも、プロンプトを入力したり、回答をコピペしつつ精読する事で、自然と道筋が見えてくるでしょう。
残念ながら実例としてのスケルトン構造を提示することはできませんが、完結後に発表するのも面白いかもしれません。ファンサービスの一貫として、やることは有意義でしょう。
そして、ある程度固まってきたら、SF小説なのでSF要素をピックアップしていきます。以前にもお話した通り、重要キーワードである「量子力学」は、ナウなヤングにバカ受けな要素ですが、古典力学とは違い難解な分野です。発見自体は19世紀初頭からありますが、まだまだ実用化が難しい研究段階のものです。
その中で、唯一実用化されつつあるのが、量子通信とコンピューターサイエンスです。IBMやGoogleは実働する量子コンピューターを稼働させてますし、日本でも理化学研究所が着手しています。量子通信は世界各国で実証実験が行われており、2024年には、日本のNICT(情報通信研究機構)が、東大、ソニーらと産官学共同で、衛星通信を使った量子暗号通信の実証に成功しています。
ようやく手に届きそうな距離にまでなったので、ナウなヤングに(略)
しかしながら、JCである私には「何それ? 美味しいの?」状態なので、AIをフル活用して勉強・取材に励みます。勉強とはいえ、試験を受けたり博士号を目指す訳ではないので、キーワードさえ拾えれば十分です。
ここで、ChatGPTに「これまでの会話を踏まえて、量子力学を物語上でギミックとして使えそうな、用語・仮説を一覧表にしてください」と投げてみます。
一覧表示を指定したので、出力はcsv(エクセルやスプレッドシート形式)なので、ここで掲示する事はできませんが、キーワードだけ羅列します。
・量子もつれ(エンタングルメント)
2つの粒子が相互に依存し、一方が変化するともう一方も瞬時に影響を受ける性質。
【応用】距離を超えたリアルタイム通信や、感情・思考の共有、エンタングルした人格同士の不思議な結びつきに活用。
・シュレディンガーの猫
観測するまで「生」と「死」が重なり合う量子的状態。
【応用】キャラクターが複数の可能性(生存・死亡など)を持ったまま進行し、観測された瞬間に一つの状態に収束する設定。
・波動関数の収縮
観測によって多重状態から単一状態に収束する現象。
【応用】未知の現象が観測により現実化するシーンや、敵が観測されることで実体化するなどのギミックに。
・エヴェレットの多世界解釈
観測によって多様な分岐世界が存在する解釈。
【応用】主人公が複数の「もしも」を体験し、他の可能性から学ぶ物語展開に。
・量子トンネル効果
粒子がエネルギー障壁を通り抜ける現象。
【応用】キャラクターや物体が障害物や壁を越える場面や、脱出不可能な場所から逃れるためのギミックとして導入。
・量子テレポーテーション
量子情報を遠隔地に転送する技術。
【応用】瞬間移動や情報伝達の方法として使い、遠隔地の状況を一瞬で把握したり、主人公を危機から救出する方法に。
・量子デコヒーレンス
量子もつれ状態が外部環境により崩れる現象。
【応用】AIやハイブリッドコンピューターが周囲の影響を受けやすい脆弱性として描写するなど、物語の制約条件に活用。
・不確定性原理
位置と運動量を同時に正確に知ることができない原理。
【応用】キャラクターの居場所が曖昧で追跡が困難、または武器の攻撃範囲が不確定な演出などに応用。
・虚数時間
時間軸が虚数になる理論的時間。
【応用】時間を超越した存在や異なる時間軸からの介入、未来と現在の融合などの物語展開に活用。
まだまだ数がありChatGPTが頑張って出力してくれましたが、その中からピックアップしました。
ご覧のように、古典SF作品だけでなく、様々なアニメやゲームでも応用されている量子力学理論と仮説が、使われているのが分かるでしょう。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』やゲーム・アニメ『Seins;Gate』などから、忍者の分身の術なども、量子力学で説明でき得る要素です。
これらを『ノルンの角笛』でも多用していきます。「世の中はおしなべて単純であるべき」というアルベルト・アインシュタインの格言がありますが、物語全体がシンプルであれば、細かい要素は細かくても良いのです。カレーでも、香辛料が色々入っていますが美味しい食事になる事と同義です。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』は量子力学だけでなくバイオテクノロジーや精神分析学、演劇論など様々な要素がありしたが、ちゃんと一つの作品として成立させる事ができ、かつ商業的にも成功を収めています。
マルチバースや並行世界もよく見る設定ですね。『Stains:Gate』なんかは空想科学シリーズと銘打っているだけに、量子力学と宇宙物理学、一般相対性理論を応用したギミック使用に成功している事例です。
ですが、本筋は「オカリンと紅莉栖の恋愛物語」というシンプルさが、成功している要因なのです。
エヴァのシンプルさ? 「コミュ障主人公がロボで戦って自己発見に至るまで」という所でしょうかね? 庵野監督の意図は読み取り難いです。
何度も繰り返しになりますが、こうして拾ったキーワードを元に、自分のプロジェクトに落とし込んでいきます。似たようなプロンプトを再利用しつつ、AIとの相談を繰り返す事により、より明確にスケルトンの構築がしやすくなります。
ふんわりした表現ですが、「何となく道筋が見えてくる」という、段階的に霧が晴れていく様相を体感できます。
ここまでくれば、スケルトン構築は勝ち確定です。ガチャの天井状態で、必ずSSRやURを引く事ができるでしょう。
プロンプトを細かくしていけばいくほど、作者側の意図と適切な回答を得られるのが、LLM-AIの特性です。
画像生成・動画生成AIも同じで、できるだけプロンプトを明確化する事で、ユーザーの意図にあった出力を得やすくなります。長ければ良いという訳でなく、「簡素かつ密度の高い」文言をプロンプトとして使用する事が推奨されています。
そういう意味でも、箇条書きを認識してくれるMarkdown記述が大事になるのです。既にお分かりの通り、ほとんどのAI出力はMarkdown記述です。相手に合わせた言葉や文法を使う事も、コミュニケーションとしては大事ですね。
さて、そろそろお時間です(1万字越え)。
さすがに「どのように構築できたか」を提示する事は適いませんでしたが、何となく流れや利用方法はお分かり頂けるかと思います。
是非ともお時間ある時に、自身でも体感をもって経験してみてください。その価値は十分にあります。
それでは次回、
「ホネホネ・ロックを踊っていたら雷に撃たれたJCが、知らない内にチートAI使って無双する」
です。サービス、サービスぅ!
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