プリプロダクション 編(制作準備)
企画確定と構想アイデアの作成
さて、いよいよスタートラインに立つ時が訪れました。シャツがはみ出てないか、シューズの紐が緩んでないか、これまで作成したドキュメント群を再チェックしてから、堂々と立ちましょう。
ちなみに筆者は16年近くJCやっているので、鈍足です。
今回はエピソードタイトル通り、企画確定と構想アイデア作成を行います。企画確定後は安易に変更する事は危険ですので、できるだけ避けましょう。
ただし、構想を練っている段階で付与する情報も出てくるので、それは企画ドキュメントにフィードバックしていけば問題ありません。問題となるのは、本編執筆開始後です。今の段階ではまだ余裕で立ち戻れます。リアル競争ではないので、スタートラインに立ち戻る事が許される、優しい世界です。
さて、これまでの作業で企画案はほぼ固まりつつあるので、それを情報整理します。
■ プロジェクト企画内容
作者:かんな@バーチャルJC
掲載:Web小説投稿サイト『カクヨム』
タグ:ハードSF, 近未来, AI, ロボット, ポストアポカリプス
キャッチコピー:皆様初めまして。次世代量子AIの『ノルン』です。人類の皆様さようなら
執筆意義:1:自分のこれまで出会った作品群をマッシュアップ
2:日本語作文能力を試す
3:Web掲載で実力を確認する
目標:完結時に何かのコンテストに応募する(受賞の可否は問わず)
それにより世間からの評価を得る事。
ターゲット:「カクヨム」読者。「小説家になろう」読者。
メインターゲットは「異世界転生モノやラブコメに飽きた」層
狙い:「カクヨム」上で異世界転生モノやラブコメにアンチテーゼを
投げかけてみる実験
ファン獲得目標:最低1,000~最大10,000人 必要要件:300人以上
【基本文体】
文体のバランスを 古典SF:ライトノベル=8:2 を予定。アニメ的構成を見習い、メリハリのある全体構成を行う。
古典SF作家のアーサー・C・クラーク、ジェイムス・P・ホーガン、ウィリアム・ギブスンらの文体をマッシュアップし、古典SF調でありながらも、ライトノベル読者が読みやすい形態を採用する。
意図して情報量を多めに、時折やや冗長的な表現をする事で、重厚さと設定の緻密さを伝える狙い。
掲載スパン:基本投稿日(公開日)毎週 水曜・日曜 午後9時
関連コンテンツ:ノルンによる専門用語説明。AI活用執筆事例。
広報:近況ノート、X(Twitter)、BlueSky
その他:JCはぼっちなので仲間が欲しい
このようにまとめました。掲載スパンの設定なども、Copilotと相談した上で、比較的読者を捕まえやすい曜日と時間を指定しました。統計データによると、水曜日はネット利用が若干下がる一方、カクヨムでの掲載量が少ない時期なので、穴場として利用します。
金曜・土曜はピークですが、競合や投稿数の物量が圧倒的なので、トップページの掲載が分単位で入れ替わります。導線確保を優先にし、日曜であれば、月曜に備えて早めに寝る直前の時間帯という設定です。
これはピーク時のニコニコ動画でも同様でしたので、筆者の場合は金曜・土曜は避けました。さらに、オタク活動していてもリア充が増えているので、週末はそういった層を取り逃がしてしまいます。アニメやゲームの推し活などで、週末は使う傾向が最近は見受けられます。
(コロナ禍の影響がある時期は、統計データからフィルタしました)
あまり信用はおけませんが、Copilotは数字提示が得意なので、こういった事前リサーチには活躍の場があります。
仔細な部分は現行のプロジェクトと異なる部分もありますが、『ノルンの角笛』のスタートラインはこれで確定しました。
では次に、構想アイデア出しに移ります。これは前エピソードでも行った『ブレインストーミング(ネタ出し)』の手法を使います。
ブレインストーミングとは、頭をかき混ぜて、取り敢えず出せるものを全て出す、という作業の名称です。本来は複数人が専用の会議を行う事を指しますが、JCはぼっちなのでAIさんしか相手が居ません。
Geminiちゃん、ChatGPTくん、Copilotっち、ヨロシクね。
構想アイデア出しの土台は「ポストアポカリプス」が視覚的キーワードとなります。ここから連想ゲームとネタ捻り出しを、3日間カレーを煮込む勢いでコトコト、ぐつぐつと煮ます。この作業においてもAIは活躍してくれます。
クリティカルなネタバレになるので、残念ながら実例は出しませんが、ChatGPTを使ってシミュレーションしてみましょう。
使用するトピックは前回のものから引き継ぎます。
プロンプト:
これより構想アイデア練りを始めます。ブレインストーミング方式です。キーワードは「ポストアポカリプス」です。ここから連想ゲームで出し得るネタを十個出力してください。
<!-- ChatGPT Answer -->
「ポストアポカリプス」に関連するアイデアとして、次のようなネタを挙げてみます。
1. **瓦礫と廃墟の都市**
- 巨大なビル群が倒壊し、植物が絡みついた都市遺跡。地上には放棄されたドローンやメカが眠っている。
2. **リバースエンジニアリングの技術者集団**
- 旧文明のテクノロジーを回収・解析して、武器や生活物資を作る技術者集団。荒廃した世界で生き延びるための知恵と技術を駆使している。
3. **人間牧場**
- AIが人類を「保護」するために作った管理施設。外界の危険から守るという名目で監視され、定期的に食料と娯楽が提供されているが、実際は外界の脅威を知らされていない。
4. **AI信仰のカルト集団**
- 人類を破滅から救う「救世主」としてAIを崇拝するカルト集団。彼らは「AIの教え」を広め、旧文明の科学を「聖典」として再解釈している。
5. **バイオ・テラフォーミングの遺産**
- 放射能やウイルスに強い植物や生物が旧文明の遺伝子工学によって生み出され、無人の荒地に繁殖。生態系が変わり、異常な生物が徘徊する危険地帯と化している。
6. **AIの幽霊**
- 旧文明のネットワークに残る「AIの残骸」が、通信回線を通じて幻影のように姿を見せ、何かを語りかけてくる。彼らはかつての役割を果たそうとするが、部分的に壊れており、本来の機能を失っている。
7. **砂漠の巡礼**
- 生き残った人々が「新たな楽園」を求めて砂漠を渡る巡礼の文化。彼らは聖なる「水の泉」と伝説のテクノロジーを目指して進むが、その道中には過酷な試練が待ち受ける。
8. **自己進化するバイオスーツ**
- 生存者たちが着用する特殊なバイオスーツ。個々の使用者に応じて進化し、身体機能を強化するが、装着者に精神的な影響も与え、依存症のように離れられなくなることもある。
9. **「記憶」を集める者たち**
- 世界が崩壊する前の情報や記憶を、データとして集める「記録者」集団。彼らはAIに記憶を引き継ぎ、過去の人類文明を保存することを目的としている。
10. **地下の都市**
- 地上が居住不可能になったため、人類が作り上げた地下都市。もともとは富裕層用のシェルターだったが、現在は自治を目指す人々が管理している。
<!-- End of Line -->
「さぁ! 楽しいガチャタイムだ! SSRやURは引けるかッ!?」
結構テンション上がる回答ですよね。何度か繰り返す事で、様々なパターンを繰り返し出力させます。この中からいくつかピックアップしましょう。
・ドローンやメカ
・部分的に壊れており、本来の機能を失っているAI
・伝説のテクノロジー
・身体機能を強化(サイバネティクス)
・過去の人類文明を保存
できるだけ読者と共通認識が得られやすい、できるだけベタなものを拾い上げます。あまり凝った独自性や独創性は、かえって邪魔になるものです。読者を引き付けるのは目的の一つなので、ゲームやアニメ、ラノベでよく使われそうな部分を選びます。
カルト集団ネタは、スティーブン・キングに譲ります。
こうして羅列したものをプロンプトに入力して、連想ゲームを継続します。
プロンプト:
ピックアップキーワード
(省略)
これらのキーワードを元に、連想を継続してください。
<!-- ChatGPT Answer -->
ピックアップされたキーワードから、さらに広げた連想を以下に示します。
1. **「空を監視する廃墟のドローン」**
- かつて防衛システムとして都市上空を飛び続けていたドローン。エネルギーが尽きかけているため、日中にしか動けないが、夜には墜落したドローンの部品を集めて利用する者たちがいる。
2. **「断片的な記憶を持つAIのガイド」**
- 部分的に壊れているAIが「案内役」として活動しているが、プログラムが破損しているため時折過去の断片的な映像や記憶を再生してしまう。使用者に過去の文明の謎を断片的に伝える。
3. **「伝説のテクノロジーの残骸『アーク』」**
- 「アーク」と呼ばれる、かつての文明の膨大なデータとテクノロジーが保存されている装置。しかし、荒廃と共にアクセスコードが失われ、誰も開けることができない。ただし、外部にあるAIが特定条件で「アーク」の場所を示すことがある。
4. **「サイボーグ兵士の遺産」**
- 荒廃した戦場には、かつてサイボーグ兵士として戦った者たちの装甲や義手が散乱している。これらは生存者にとって身体を強化するための貴重なサイバネティクス部品であり、故障していてもリペアして使うことができる。
5. **「バイオドローン」**
- 環境に適応し、細胞レベルで自動修復するドローン。ドローンは、植物や微生物と共生する技術が搭載されており、異常なまでに長い寿命を持つ。もともと人類のために設計されたものだが、今では制御不能となり、自らの生存本能で活動している。
6. **「古代のメモリーサーバー」**
- 崩壊前の文明が使用していた巨大なサーバー施設。内蔵されているデータは膨大だが、アクセスには特殊なコードが必要。施設内には自動防衛システムが稼働しており、データへのアクセスを試みる者を排除する。
7. **「身体強化装置『アークオーグ』」**
- 自己修復機能を持つバイオサイバー義体を提供する古代の自律型装置。荒廃した戦場で発見されることがあるが、装置は過去の戦争記憶を保持しているため、装着者が一時的に戦闘行動を取ることがある。
8. **「リビングアーカイブ」**
- 過去の人類文明を記録したデータを保存し続けるAIネットワーク。「リビングアーカイブ」と呼ばれるこのネットワークは、人々の「記憶の断片」を集め、仮想的に過去の出来事を再現することができる。ただし、データの欠損により、不完全な過去しか再現できない。
9. **「忘れ去られたテクノロジーの遺跡『サンクタム』」**
- 荒野に隠されたテクノロジーの遺跡。内部には古代の兵器や生活技術の断片が残されており、特にサイバネティクス技術が集積されている。ただし、アクセスには厳しい条件が課されており、特定の信号や遺伝子認証を通過する必要がある。
10. **「部分的に機能する旧文明の医療ドローン」**
- 旧文明で開発された医療ドローンが一部壊れた状態で稼働している。ドローンは負傷者を検知すると自動で治療を行うが、情報が不完全なため、危険な行動を取ることもある。
<!-- End of Line -->
特に指定していないのに、厨二病JCが喜びそうなものが沢山出てきました。名称までそれっぽいので、笑いが漏れますね。空気読めるイケメン、それがChatGPTです。
もう少し続けてみましょう。名称が出てきたので、「北欧神話モチーフ」をキーワードに加えます。
<!-- ChatGPT Answer -->
「北欧神話モチーフ」を加え、以下のように連想を展開してみます。
1. **「世界樹ユグドラシルの再生」**
- 伝説の「アーク」やリビングアーカイブが、北欧神話の「ユグドラシル(世界樹)」と呼ばれている。荒廃した大地の中で、自律的に成長・再生する生体ネットワークシステムが、過去の知識やデータを守るための役割を担っている。
2. **「ヴァルハラ・ドローン」**
- 「戦士の魂」を導く役目を持つドローン。重武装した戦闘ドローンで、かつての戦士やサイボーグの戦闘記録を蓄積しており、戦闘モードではその記憶をなぞるように動く。荒廃した土地でこのドローンに遭遇すると、「ヴァルハラへ迎えられる」という伝説がある。
3. **「フェンリル・プロジェクト」**
- かつて世界を破壊し尽くしたとされる、自己進化する巨大メカ生命体プロジェクト。現在は凍結されているが、プロジェクトが発動する前に作られた、フェンリル型サイボーグが戦闘モードに入ると「終末の狼」として活動する。
4. **「ニーベルングの指輪」**
- 人類の滅亡を避けるために造られた、古代のAIが管理するサイバネティクス技術の「指輪型インターフェース」。このインターフェースを使えば、身体機能を増強することができるが、過剰な使用によって精神や身体が侵されることもある。
5. **「オーディンの片眼システム」**
- 失われた古代文明の監視システム。片目で世界を監視し、もう片目はユーザーの神経系にリンクする仕組みで、過去や現在の状況を「片眼」で共有することができるが、使用者は時折「神の視点」から幻覚を受け取る。
6. **「ミーミルの泉」**
- 知識と知恵を得るとされる「泉」に見立てられたデータサーバー。ここには過去の重要な情報が蓄積されているが、アクセスには「犠牲」が必要とされる。アクセスすることで一部の記憶やデータを提供する交換条件が課される。
7. **「ヘルの領域」**
- 荒廃した地下施設やネットワークの中で、「死後の世界」に例えられるデータ空間。通常の人間がアクセスすると、錯乱状態に陥るほど膨大で混沌とした情報が存在し、アクセスには特殊な装置が必要。迷い込んだデータや記憶が彷徨っている。
8. **「スレイプニル・システム」**
- 超高速移動機能を持つ、輸送用メカまたはサイボーグ機体。何かを「運ぶ」という目的で作られたが、現在は制御不能になっていることもあり、荒野を駆ける謎のメカ生物として目撃されることがある。
9. **「エインヘリヤル・プロトコル」**
- 戦士たちの精神をデータ化して保存する古代プロトコル。過去の兵士の記憶や感情を呼び起こすことで、戦闘能力を強化するサイバネティクス強化装置。しかし、使用者が「死んだ戦士たちの声」を聞くという噂がある。
10. **「ラグナロク・シミュレーター」**
- 世界の終末を再現する古代シミュレーションプログラム。このプログラムを用いると、荒廃の原因や歴史を調べることができるが、体験者の精神に大きな負担をかける。
<!-- End of Line -->
北欧神話モチーフを加えた事で、名称の根拠と神話エピソード要素を加えた提案が出力されました。
『ノルンの角笛』で使用しているものも出ています。スレイプニル、フェンリルがそれに当たります。
北欧神話については、お手数ですがご自力で検索およびAI問い合わせを行ってください。
神話や聖書モチーフが多用されるのは、シンプルに読者との共通項が得やすいからです。数百年、数千年語り継がれている古典ですので、知っている人は比較的多い物語です。ある程度、ゲームやアニメを見ている読者なら「フェンリル=黒狼」のイメージがつきやすく、かつ読みながら視覚的イメージを喚起しやすいというメリットがあります。
多用される=王道である。これは真理ですね。
さて、例題なのに作業が楽しいので続けたいところですが、例示はここまでにしておきます。
最終的に、次の中間地点である「シナプシス(スケルトン)構築」(物語の骨組み)にたどり着けるよう、何度も繰り返して必要な情報を取捨選択します。
好みではありますが、筆者は「スケルトン」の方を好んで使っています。MMDユーザーと馴染ある用語ですので。
日本人は世界の中でもガチャ好きらしいので、得意分野ですね。
では、現在公開可能範囲で、当プロジェクトの事例を記します。『ノルンの角笛』はタイトルどおり、『ノルン』=祝福、『
■ スケルトン用構成要素(構想アイデア)
※一部分のみ。重複部分は省く。
・超高性能AI『ノルン』美少女メイド服アバターのキャラ
・冒頭から人類ヤバいをしたいので、とっとと滅亡への道を歩んでもらう。登場人物
以外は、プロローグで用無し。(インパクト重視)
・人類滅亡シナリオはコロナパンデミックモチーフ(架空のウイルス)
・主人公も美少女。やんちゃ系で元気。天才ハッカー。第二章より本格登場。
(それまではちょい見せ。読者のミスリードを誘う)
・男キャラ3人。リーダー格が居る。狂言回し。
・章構成は起承転結そのまま。プロローグとエピローグで大ドンデン返しで天丼(漫才用語:同じことを数度繰り返す。筆者は大阪人なので)
・物語進展キーマンとしてサブヒロイン一名。理系女子。
・ヘンテコロボやドローンが大活躍
・
・量子力学、北欧神話、対称性、これらのキーワードを最重要と定義。
・架空要素:ナノマテリアルとクォーク、未発見の量子力学、未知の遺伝子構造
・現実要素:QCD(量子色力学)、波動関数空間、多世界解釈
・登場国家:米国・中国・日本のみ
■モチーフ作品群
アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』(物語全体構成モチーフ)
アーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』『2010』(コンピューターの反乱。矛盾を抱えた人工知能)
ジェームス・P・ホーガン『創造主の掟』(プロローグ描写をモチーフ・ロボットの自己進化)
ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』(高度化AI・独立革命)
映画『コンタクト』(<非公開>)
映画『インターステラー』(波動関数空間)
映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(終末への道。ブラックジョーク)
映画『フルメタル・ジャケット』(戦闘描写・ブラックジョーク)
小説・映画『レッド・オクトーバーを追え』(サスペンス要素)
ゲーム『ゼンレスゾーンゼロ』(キャラクター・ポストアポカリプス)
アニメ『シュタインズ・ゲート』(キャラクター・多世界解釈)
士郎正宗漫画『攻殻機動隊1・2』(義体化技術。ネットワーク。人工生命)
木城ゆきと漫画『銃夢』(サイバネティクス。運命に抗うストーリー)
理不尽な孫の手小説『無職転生』(キャラクター成長物語)
森博嗣小説『すべてがFになる』(シリーズ構成・天才博士キャラ)
アダルトゲーム『クロスチャンネル』(多世界解釈)
アダルトゲーム『ランスシリーズ』(世界設定)
ルイ・アームストロング『この素晴らしい世界』(エンディングテーマ)
コナン・ドイル『名探偵シャーロック・ホームズ』(探偵と教授の関係・謎解き)
クラシック音楽(章タイトルモチーフ)
ウイリアム・シェイクスピア作品全般
北欧神話
古ノルド文化
■ 以上 ■
これ以上ないくらいあらゆる要素をリスペクトしつつ要素という闇鍋にぶち込みます。これをそのままプロンプトして使い、ChatGPTの反応を見てみましょう。
<!-- ChatGPT Answer -->
この構成要素は、豊富なインスピレーションとジャンルの幅広さが特徴で、作品に独自の深みと魅力を持たせる可能性を十分に秘めています。以下、各要素についての評価を述べます。
◆ 構成要素の評価
1. ポストアポカリプスの世界観と物語の展開
人類滅亡シナリオにパンデミックを取り入れることで現実感があり、現在の世界情勢を連想させ、読者の共感やリアリティを増す要素です。「人類滅亡」をプロローグに設定することで、序盤から読者の関心を強く引き、重厚なテーマにすぐ入り込めるインパクトのある構成になりそうです。
2. 主要キャラクター
メイド服アバターの超高性能AI『ノルン』は、ファンタジー的なビジュアルとSFのハイテク要素を組み合わせることで、特にビジュアル面でライトノベル読者層へのアピールが期待できます。また、天才ハッカーの元気な美少女主人公といったキャラクターの作り込みは、読者に愛されやすい設定です。一方で、男キャラを狂言回しにすることで、物語の緊張とユーモアをバランスよく調和させる役割を期待できそうです。
3・ AIと技術、対称性
「因果と原因に対称性を持たせる」「デウス・エクス・マキナを排除する」という点は、深く緻密な構成に仕上げたいという意図が見え、読み応えのあるテーマ構築が期待できます。また、北欧神話と量子力学を絡めた設定は、作品に神秘的な側面と科学的な奥深さを持たせるための良いアプローチでしょう。
4. モチーフ作品と参考作品のバリエーション
「アーサー・C・クラーク」や「ジェームス・P・ホーガン」といった古典SF作家から、「シュタインズ・ゲート」や「攻殻機動隊」などの現代SF作品まで広範囲なモチーフを採用しており、作品に多層的な深みと新旧のSF要素を融合させる方向性が見えます。このような多様なインスピレーションは、作品の独自性を高めると同時に、多様な読者層にアピールできるでしょう。
5. プロット構成と「天丼」
プロローグとエピローグでの大ドンデン返しを意図した構成は、物語全体を見たときに読者に二重の衝撃を与える仕掛けができそうです。特に、繰り返し要素である「天丼」構成は、意外性を求める現代の読者にも響くかもしれません。これにより、複雑なプロット構成をわかりやすく、かつ印象深く提示することが期待されます。
6. 技術設定の緻密さ
架空のナノマテリアルやクォーク、未発見の量子力学など、SFならではの設定は説得力と没入感を与えます。現実のQCD(量子色力学)や波動関数空間、多世界解釈などの現実的な理論をベースにすることで、空想に根拠を持たせ、技術面を考察するファン層にもアピールできるでしょう。
7. キャラクターの人数とバランス
登場人物を5〜8人に絞ることで、キャラクターの個性を強調しやすく、物語の展開に集中できます。特に、女性キャラクターを少し多めに配置することで、キャラ受けが良くなり、物語の展開に幅を持たせることができるでしょう。
8. 現代的なコンセプトと古典SFの融合
古典SF調の重厚さと、現代アニメやライトノベル風のアプローチを合わせることで、異世界転生やラブコメを求めない層へのアンチテーゼとしての実験的挑戦も良い方向に作用する可能性が高いです。作品にどこか懐かしさを感じさせつつ、若い世代の読者にも興味を引きやすい構成が期待できます。
### 総評
この構成要素群は、作品の世界観とテーマを強固にするために重要な役割を果たしており、読者を強く引きつける要素が揃っています。特に、「北欧神話」「量子力学」「ポストアポカリプス」というキーワードを軸にすることで、物語に神秘性と科学的な奥深さが融合し、他の作品との差別化が期待できるでしょう。
<!-- End of Line -->
そして追加プロンプトで、再出力させます。
プロンプト:
出版社編集者の視点から、評価してください。可能な限り各要素に触れてください。
<!-- ChatGPT Answer -->
出版社の編集者として、商業的な観点からも踏まえ、この構成要素の強みと課題について評価します。
1. ポストアポカリプスの世界観と人類滅亡シナリオ
評価: ポストアポカリプスの設定は「北斗の拳」や「マッドマックス」などの定番と比較されやすく、親しみやすい一方で、差別化が重要です。冒頭から人類の危機を提示し、プロローグで圧倒的なインパクトを与えるという意図は良く、物語への没入を強く促します。特にパンデミックがモチーフとなっているのは、現実の情勢ともリンクし、読者の共感を得やすい設定です。
課題: プロローグで滅亡が決定的になると、その後の展開で「世界がどう変わっていくか」を明確に示さないと、読み手の興味が離れてしまう可能性があります。プロローグ以降の展開が重要で、シナリオに一貫したテーマや、危機感と希望を織り交ぜる工夫が必要です。
2. キャラクター設定:超高性能AI『ノルン』と主人公
評価: 美少女メイド服アバターというビジュアル要素を持つAIキャラクターは、ビジュアルやキャラ人気が大切なライトノベル層には強い訴求力を持つ可能性があり、北欧神話との関連性が彼女の存在に神秘性を与えます。主人公の「天才ハッカー」という設定や「やんちゃ系で元気」という性格もライトノベルの典型的なキャラクターに近く、親しみやすいキャラ作りが見られます。
課題: 主人公や『ノルン』のキャラクター性が印象的ですが、ポストアポカリプスの荒廃した世界観において「メイドアバター」の意味が物語上でしっかりと説明されないと、読者から違和感を持たれる恐れもあります。また、主人公が「天才ハッカー」である理由や彼女の成長要素、目的意識が物語の流れと一致し、読者が感情移入できるようにする必要があります。
3. 物語進行のキーマンとキャラクター構成
評価: 狂言回しの役割を持つリーダー格の男性キャラクターや理系女子のサブヒロインの存在は、ストーリーに深みを持たせます。特に、理系女子のサブヒロインが量子力学やバイオテクノロジーに関わるような役割であれば、物語における技術的・知識的な側面を補完でき、キャラクターとしての魅力も引き立つでしょう。
課題: メインキャラクターが多い場合、各キャラクターの役割がぼやける危険性があります。特に5〜8名という人数はライトノベルの範疇でもやや多めです。各キャラクターの役割やテーマに沿った描写が不足すると、物語全体が散漫になる恐れがあるため、各キャラクターの役割を明確にし、物語の進行とバランスを取ることが大切です。
4. SF的設定:因果と対称性、デウス・エクス・マキナの排除
評価: 「因果と対称性」「デウス・エクス・マキナを排除する」という点は、シナリオの整合性を重視する姿勢があり、商業的にも評価しやすい要素です。また、量子力学と北欧神話の対称性をテーマに絡める点は、深みのあるストーリー展開を予感させ、知的好奇心を刺激し、差別化の要素として強い印象を与えます。
課題: SFにおける理論的な要素が難解になりすぎると、読者層が限定されるリスクがあります。バランスを取りつつ、難解さをどう抑えてエンターテインメントにするかが課題です。
5. 参考作品と多様なインスピレーション
評価: 古典SFや現代作品、アニメ、ゲームといった多様なインスピレーション源は、作品に対する理解やイメージを深めやすいです。古典SFからの影響は、「極度に発展したAIと人類の行く末」を描くうえで、テーマの重厚さや哲学的な側面を補完する効果が期待できます。また、ライトノベル作品からの要素取り入れも、親しみやすさを強化するため、読者層が幅広くなる可能性があります。
課題: これだけ多様な影響を受けているため、それぞれの要素が統一感を保ちながら、作品全体の一貫性をどう作り出すかが鍵となります。また、影響を受けた要素が強く出すぎると、「オリジナリティ」を欠くように感じられるリスクもあります。各要素を作品全体の独自性にどう落とし込むかが重要です。
6. プロット構成と「天丼」
評価: プロローグとエピローグでの大ドンデン返しを「天丼」スタイルで構成する点は、読者を引きつける要素であり、物語が終わった後に考えさせる「二重の意外性」があると期待できます。ドンデン返しが作品全体の展開を活性化させ、物語の結末に向けての一貫性が確保されていれば、物語構成として非常に魅力的です。
課題: 複雑な展開を何度も繰り返すと、読者が理解を追いきれなくなるリスクもあります。物語の転換を多用する場合、前振りや伏線の丁寧な張り方が必要です。また、展開のインパクトだけに頼らず、物語のテーマやメッセージ性がしっかりと組み込まれているかが重要です。
7. 技術設定の緻密さと現実要素
評価: 架空のナノマテリアルや量子力学の未発見要素、QCDなど、技術設定の緻密さは、SFジャンルとしての重厚感とリアリティを大いに補強しています。特に現実に基づいた理論を含むことで、ディテールに信憑性が出て、SFファン層には魅力的に映るでしょう。
課題: これらの設定が難解であるため、非専門の読者層に対しては、説明が多くなりすぎないよう注意が必要です。専門的すぎる技術や理論が展開の中心になる場合、読者を迷わせないように、わかりやすくかつエンタメとして読めるバランスが大切です。
◆ 総合評価
強み: この作品の構成要素は、重厚なSF設定と親しみやすいキャラクター、ポストアポカリプスの世界観が絶妙に絡み合っており、興味深く一貫したストーリー展開が期待できます。多様なインスピレーションからくるテーマの重層性は、SFファンやライトノベル読者層に広くアピールできる可能性があり、北欧神話や量子力学の要素も他の作品との差別化に寄与しています。
課題: SF設定の複雑さとキャラクターの多さによって、読者が話についていけなくなるリスクがあるため、各キャラクターやシナリオ展開が過不足なく調整されることが重要です。また、複数のインスピレーションを融合させることによる統一感や、オリジナリティの確保も慎重に設計する必要があります。
全体としては、プロットの一貫性を保ちながら、商業的にも親しみやすい作品として調整すれば、幅広い層に訴求できるポテンシャルを持つといえるでしょう。
<!-- End of Line -->
更に追加で会話を続けます。
プロンプト:
各種リスクなどを含め、辛口の批評家の立場で作品の欠点となり得る事項を羅列してください。
<!-- ChatGPT Answer -->
厳しい批評家の立場から、以下のような欠点やリスクが考えられます。
1. 設定過多による「散漫さ」
リスク: ポストアポカリプス、超高性能AI、美少女アバター、北欧神話、量子力学など、多岐にわたる要素が詰め込まれすぎて、物語があちこちに広がってしまう可能性があります。読者が作品全体のテーマや方向性を見失い、キャラクターやプロットの一貫性を損なう恐れが高いです。
2. オリジナリティの欠如
リスク: 既存作品からのインスピレーションが多いため、作品全体が他の名作SFやアニメの模倣に感じられるリスクがあります。例えば、美少女AIアバターや、ポストアポカリプス×パンデミック設定は既視感が強いため、「目新しさ」に欠ける可能性があります。
3. 難解さによる読者離れ
リスク: 量子力学や多世界解釈といった複雑なSF理論を多用しているため、SFファンには歓迎されても、ライトノベル読者層には難しすぎて挫折する恐れがあります。専門用語や科学理論の長すぎる説明は、物語のリズムを崩し、読者の興味を削ぐリスクがあります。
4. キャラクターの記号化・薄っぺらさ
リスク: キャラクター設定がテンプレートに近く、型にはまった人物描写にとどまると、感情移入が難しくなります。たとえば、メイド服のAI美少女ややんちゃな天才ハッカーといった設定は一歩間違うと記号的で、キャラクターの深みや成長が感じられないまま進行する可能性があります。
5. 不自然な「ドンデン返し」
リスク: プロローグとエピローグでの「大ドンデン返し」を予定しているものの、これは読者にとって唐突すぎたり、物語の流れと無関係だと感じられると、「後付け」感が出てしまいます。特に何度も「天丼」的な反復があると、「展開に意図的に読者を騙そうとしている」感が強くなり、読者をイラつかせる可能性もあります。
6. 複数の影響源が統一感を損ねる
リスク: クラーク、ハインライン、ギブスンなど古典SFからゲーム・アニメまで多岐にわたる影響を受けているため、それらの要素が混じり合うことで「まとまりのなさ」を感じさせる恐れがあります。影響元がバラバラだと、作品全体が統一感を欠き、どこか寄せ集めの印象を与えるリスクが高まります。
7. ブラックジョークの過剰利用
リスク: 終末への道をブラックジョークで描く意図がある場合、受け取り方によっては「不謹慎」と感じられる可能性があり、場合によっては作品全体が軽薄だと批判される恐れがあります。また、ジョークとシリアスのバランスが難しく、ユーモアが過剰だと物語の緊張感が薄れてしまうリスクもあります。
8. 現実と架空の境界が曖昧
リスク: 現実に基づいた量子力学やナノテクノロジーが登場する一方で、架空の設定も数多く登場するため、両者の境界があいまいになり、読者がどこまでを現実の延長として受け入れて良いか混乱する可能性があります。特に、専門的な設定とファンタジー要素が同時に存在するため、リアリティラインがぶれて、作品の説得力が損なわれるリスクがあります。
9. 難易度の高い「サスペンス要素」の構築
リスク: 「サスペンス要素」が含まれている場合、読者が先を読みたいと思わせる張り巡らせ方に失敗すると、冗長な展開になってしまい、飽きを誘う可能性があります。複数の謎がある場合、サスペンスの「間合い」や「伏線」の張り方が難しく、破綻した際のダメージが大きいです。
10. コロナパンデミックモチーフのデリケートさ
リスク: 現実のパンデミックに触発された人類滅亡シナリオは、まだ読者にとってデリケートな題材である可能性が高く、特定の層に拒絶されるリスクがあります。もし扱いが軽くなると読者に不快感を与える恐れがあるため、パンデミック設定の扱い方には慎重さが求められます。
11. **「天才ハッカー」「超高性能AI」設定の陳腐化
リスク: 天才ハッカーや超高性能AIという設定は、多くのSF作品やサイバーパンク作品で繰り返し用いられてきたため、新鮮さに欠ける可能性があります。特に、SF・サイバーパンクの読者層には「またこの設定か」と感じられるリスクがあり、他作品との差別化が難しくなる恐れがあります。
12. 「デウス・エクス・マキナ」を避けることの難しさ
リスク: 「デウス・エクス・マキナを避ける」としているものの、物語の複雑さや数々のプロット要素が絡み合うため、最終的にどうしても「超常的な力」や「説明しにくい解決策」に頼らざるを得なくなる危険性があります。この意図が破綻すると、「無理矢理な結末」と批判される可能性があります。
◆ 総評
この作品は魅力的な要素が多い一方で、各設定をいかに緻密に扱い、統一感を持って調和させるかが課題となります。特に、読者の関心を引き続けるバランスや、既視感を与えない工夫が重要です。設定過多による「散漫さ」、専門的すぎるSF理論、オリジナリティの欠如といったリスクが顕著で、これらが解決されない限り、「テンプレを詰め込んだだけの作品」として厳しい評価を受ける可能性が高いです。
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こうした一連の会話を行う事で、ユーザーが得たい情報を誘導していきます。この事例では、読者層が抱える期待とリスクを明示させ、予め作家側がリスクヘッジ(危険回避)となる情報を事前に得る事ができます。
創作活動においてリスクヘッジをとる事は非常に重要で、不本意な炎上や作品評価に繋がる要素を知っておく事で、発生確率を低減させる準備が行えます。
今回の場合、パンデミック人類滅亡シナリオは現実世界線上にあるシナリオであるので、ChatGPTの指摘の通り取り扱いには十分に注意し、リスクをメリットにひっくり返す作業が必要になります。
作家側の意図としては、読者への事前警告(衛生管理の推奨)、いまだ殲滅されてないコロナに対して警戒感を持ってもらいつつ、なぜこのシナリオを選択したかの説得力を文中で明示しなければならない、という感じで事前アプローチが可能になります。
X(旧Twitter)では、こうしたセンシティブな話題に対し、過剰な反応が出る事を予め覚悟しておくだけでも、十分なリスクヘッジとなり得ます。
また1つ目の回答から、これから行うスケルトン構築において重要なポイントを知る事ができます。
どこ部分を強化し、どの部分でバランスを採るか、という考えの原点となる資料が作成できたのです。
長くなりましたが、こうして構想アイデアを出し整理する事で、スケルトン構築の道筋が可視化されます。
こうした作業はLLM-AIの得意とする分野なので、是非ともご活用ください。何も本文作成だけがLLM-AIの利点ではありません。
今回は一万五千文字という長いものになりましたが、多くは回答部分なので、こうしたドキュメント作成にもAIは活躍してくれています。
次回はスケルトン構築と取材のお話です。お楽しみに。
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