Day6「一つ、斡旋してもらおうか」
「確かに、あんたにゃ珍しく良さそうな話じゃないか。一つ、斡旋してもらおうか」
高らかに、ビネットはそう答えた。
さて困ったと、壇上の手配師は言葉を失った。
よりによって、ビネット・ファリーンとは。
この女に、金持ちに愛想を振りまいて
あの爺さんが言った通り、こんな場末の
しかし、「あんたじゃちょっと」などと言った日には、
「ほう、若い娘っ子のうちには入らないって言うんだね。このうら若き、ビネット・ファリンが」
とか何とか、さっきの爺さんの時以上の騒ぎになるのは確実だった。もはやこうなっては、斡旋を断るわけにはいかなかった。
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