第5話 もう1人のアリスとアリス
喫茶店から出て、2人並んで歩き始める。アリスから聞いたことは未だに理解できないが、ついさっきあったことは全て現実で起きていることなのを体が覚えてしまっている。
「あ、アタシはこっちだから。また明日ね、美兎」
「え?あ、うん。また明日」
学校の前まで戻ってきて解散となった。校舎を見てみても、今は特に変わったところは無い。夜風が吹き、そそくさと逃げるように家に帰る。宿題もせず、着替えだけして布団に入る。
「あ、アリス。おはよう」
翌日、朝一番で学校に行くと、既に教室にはアリスがいた。が、いつもと様子が違う。
「あ、美兎!おはよう!」
そう言いながら立ち上がり、いきなり抱きついてくる。一瞬驚きはしたものの、すぐに離れる。
「え、ちょ!?アリス!?」
アリスはただ立っていて、いきなり笑い出した。
「ぷっ……くく……あははははは」
いつものアリスの笑い方と違い、その笑い方はどこか不気味さを感じる。
「あなた……誰」
昨日アリスが話していた零し種の可能性も考え、近くにあった箒を取り構える。すると、後ろのドアが開く。
「あら、美兎。今日は珍しく早いのね」
ドアから入ってきたのは、眠そうに欠伸したアリスだった。
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