第5話
「「ただいまぁ~」」
まだまだ大きい、だけどお気に入りのピンクとブルーのランドセルをしょって二人で施設に帰ってきたあの日。
何気ない日常が当たり前のように続いていくことをなんの疑いもなく。
いつもと同じように元気よく帰ってきた私たちを待っていたのは悲しすぎる残酷な出来事だった。
「お帰り、とおるくん、なっちゃん」
いつもなら、笑顔で迎えてくれる薫先生の様子がなんとなくいつもと違う気がした。
「とおるくん、園長先生がお話があるんだって。
ランドセルを置いて手を洗ってきたら、一緒に行こうね」
薫先生の言葉に、?と二人でなんだろうねと顔を見合わせた。
「とおる、何かしたの?」
二人で並んで手を洗いながら聞いてみる。
「何もしてないよ。------あっ、もしかしてこの間花壇にお水あげるのさぼちゃったから、それかも⁉️」
とおるがヤバイと慌ててる。
「お手伝いはちゃんとしないとだめだよ~」
ふかふかのタオルで手を拭きながらあきれた顔でとおるに言う。
「そういう時は、ちゃんと心からごめんなさいして謝るんだよ」
少し偉そうにとおるにお説教してみる。
「わかってるよ。俺が悪いし」
ボソボソ言いながら、急いで部屋を出ていった。
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