第4話
この世に生を受けてまだまもないだろう私達兄弟は、施設の前に置き去りにされていたそうだ。
紙に書かれた走り書き。
"とおる・なち
誕生日は20xx.x.xです
育てられなくてごめんなさい。"
私たちは、親に捨てられたのだ。
"アネモネ"には、園長先生と、薫先生、あとは交代で何人かの大人が手伝いにきたりしていた。
当時、そこで暮らす子供達は私たち兄妹の他に、数人いた。
たまにはケンカもしたりしたけど、まぁ仲良く暮らしていたと思う。
施設に暮らしてるってだけで、いじめられたこともあったけど、お互い助け合って生きてきた。
私たちはお互いを大事に大切に、ずっと一緒にいようと決めていた。
でも、そんな思いは、大人の保護下で守られてる私たちにとって。
一瞬でくだかれてしまう、ちっぽけな感情だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます