第3話

"ねぇ、なんで、なちととおるにはママとパパがいないの?"


"あいちゃんや、はなちゃんは、ママもパパもいるのに"


何度も何度も不思議に思っていた。


同じ幼稚園に通う、お友達のあいちゃん、はなちゃんや、他の子には、ママもパパもいて、幼稚園が終わるとお迎えにきてくれる。


なのに、私ととおるには、ママもパパも迎えにきてくれなくて。


きてくれるのは

「とおるくん、なっちゃん、お迎えにきたよ~」

一緒に住んでる薫先生だった。


朝、幼稚園に行くとき。

私の右手は薫先生。

私の左手はとおるが握る。


帰りは私ととおるが入れ替わる。


いつからかそれが当たり前で。

同じように手を繋いで、一緒に帰る。



私たちの暮らす家。


"アネモネ"


私達、兄弟が暮らす施設へ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る