神様キャット
「なんとかなりそうですね~」
「な~ぁ♪」
「……ふん」
私とミヨちゃんと猫さんは並んで座り鈍行列車に揺られています。私の膝の上には白い頭痛キャットさんがいてゴロゴロ喉を鳴らしています。
ミヨちゃんは、神化というらしいですが、それが少し進んでしまいネコミミ少女になっています。
事態は深刻なのですが耳がぴょこぴょこしていてとってもプリチーです。猫さんもミヨちゃんの身体にくっついていればいいようで今はミヨちゃんの膝の上にいらっしゃいます。
あれからとっても大変でした。
まずはフリーの頭痛キャットさんを見つけようとしてうっかり本物の野良猫さんをパルクールで追いかけたり、気づかれないようにと公園のベンチで居眠り中のおじさんにそっと近づいてみたり、同じくブランコに乗って放心状態のおじさんに近づいてみたり、迷子の男の子を交番に届けたり。他にもあれこれありました。
ですがミヨちゃんを知ってるキャットさんは全然見つからず、申請するのに猛烈に嫌な顔をされた有給22日分も残り半分というところでやっと手がかりを見つけたのでした。
「たまたまやってた葬式に現れた燃えキャットさんがいいアドバイスをくれて良かったですね」
「あやつは火車じゃというに」
「燃えキャットさんはなんだか猫さんのことを知ってたみたいでしたよね」
「まぁワシは悪さをして封じられていたからの」
「猫さん……なんだかご機嫌ナナメですね」
「な~ぁ」
「……はぁ憂鬱じゃ」
いま私達は燃えキャットさんのアドバイスに従って、頭痛キャットさん達のご主人さんに会いに通称猫神社と呼ばれている神社に向かっているところです。燃えキャットさんが話を通してくれるそうで案内に白キャットさんもついてきてくれています。
「何が憂鬱なんですか?」
「嫌なやつがいる気がするんじゃもん」
「もう、わがまま言いません。ミヨちゃんの為ですよ」
「むぅ」
「な~ぉ」
「これ、ミヨ! そこを撫でるでない! あぁ~」
ミヨちゃんにあごの下を撫でられて猫さんが悶絶しています。かわいい、羨ましい。私も負けじと白キャットさんを撫で撫でします。そんなことをしてるうちに猫神社の最寄りの駅に着きました。
「こっちにゃ」と先導する白キャットさんについてしばらく歩くと小さいですが鎮守の森に囲まれた
鳥居をくぐると空気が変わったのが肌でわかります。ぞっとするような安心するような不思議な空気でした。
「よくぞ参った」
ふいにかけられた艶やかな声の方に目を向けると、無数の猫に囲まれた女性がぷかぷかとキセルをふかしていました。白い髪に金色の瞳、赤い隈取り模様に赤い衣、何より頭の上にはふさふさのネコミミ、お尻のあたりには二又に別れた白い尾っぽが揺れています。
「あちきは
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