第4話 SIDE 美濃部 〜今 輝きの時〜

 「知っている方だったのね!そういう話をしてなかったかしら?」

顔合わせの後、教室に戻るまで緋那とのんびり喋った。

「いやいやぁ、私が話して無かっただけ。まだ会って数日じゃん?知らない事

なんてたっくさんあるよ。お互いにね。これから知っていこうよ、緋那。」

あの人の話はしなくていい。要らない。ぞくに言う『同族嫌悪どうぞくけんお』って

ヤツなのかな?まあ、性格は全然違うけど。

 海香会長…いや、海香センパイの下で生徒会にたずさわってから、この感情に

気付いた。副会長でもあの壇上であの景色を見る事は少なくない。集会の

後にいつも、センパイがかすかに頬を紅潮こうちょうさせて戻って来る。私もあの景色を

思い出すだけで笑みがこぼれる。私ももっとそれを味わいたかった。

センパイは隠したがってるのだろうけど。私は包み隠さず、もっと高度な手段で

その欲望を満たした。この欲求、正直隠し通せるものじゃなくない?

『万人に注目されたい』という承認欲求が、私を徐々に変えていった。

 じゃあ何でセンパイと同じ場所に?エリートや注目の的が多く集まるような

この学園に来たかって?そんなの決まってる。もっともっと、注目されたいから。

多種多様な華が咲き誇るこの学園で、大輪の華を咲かせて魅せる!そのための

第一歩として、注目が集まるこの争いの一端いったんに乗った。学年首席の座は緋那に

獲られてしまったけど、まだまだ魅せ場はある。ここからよ。

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