きゅうりに転生したんだが。

月咲こさめ

きゅうり

「はぁ…………」

やっと地獄の15連勤が終わった…………

早く帰ってゲームしたい……ふらふらになりながら帰路を急いだ。

頭痛い……あ、信号点滅してる……はやく渡らないと……

そして急いで信号を渡っている途中、突然横が明るくなった。

「ん……」

そしてその瞬間、ドンと鈍い痛みがはしった。

痛いな、と思い頭を触ると、ぬるりとした感触がした。

見てみると、赤い血がべったり手についていた。

どんどん意識が薄れていく……

遠くでサイレンの音が聞こえるな……

そんなことを思っていたら、気が遠くなってきた

そして俺は気を失った。


次に気が付いた時俺、荒山ゆうきは一面白い場所にいた。


「んぁ……?」

どこだ……ここ?

「気づいたか?」

白髪、白髭のおじいちゃんに話しかけられた。

「は、はい。でも、ここってどこですか?」

「ここはなぁ……生と死の狭間かのぉ……おぬしは死んでるがの」

「生と死の……狭間」

要はえっと……?15連勤の帰り道で車にはねられたんだっけ?そして死んだのかな??

「おぬしはなぁ……死ぬ予定はなかったのだ……が、わしが殺したっ☆」

「は、い……?」

こ、殺した?

「ブラックで大変そうだったしなぁ……お詫びに転生させてあげるからの」

「て、転生」

「転生先はわしが選んでおく……楽しむといい」

そしておじいちゃんが何かを唱えた。

その瞬間俺の意識は途絶えた。


見渡す限り、緑、緑、野菜、野菜

や、野菜……?

その時声が聞こえた。

「今日はトマト、きゅうりとかかな……」

そういった瞬間トマトが宙に浮いた。そして、とんだ

ほかにも茄子、キャベツ……きゅうり……などが飛んでいるのを見ていたら、俺も宙に浮いてとんだ

そしてそれを女の人がつかんだ

「あら、すごい良いきゅうりだわ」

き……きゅう……きゅうり!?

おじいちゃん!?きゅうりに転生させたの?

「たべちゃお」

そういって女の人きゅうりを洗って口に入れた。

パリ、ポリ

そして、俺は食われた。



「は……」

「あ、もどってきたか。転生先を間違えてしまってな……」

「ま、間違えた……」

「そうそう、9歳の男の子に転生させようとしようとしたら、隣のきゅうりを選んでしまってな……」

転生先に、きゅうりが……あるの……?なんで……?

9歳ときゅうり……

「だから、もう一回転生するかい?」

…………………っ

「もう、絶対しないっ!」

また間違ってきゅうりになったら嫌だからっ!

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きゅうりに転生したんだが。 月咲こさめ @yoitukiyoto

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