第5話 トラウマの原因
『悠斗、もっと、もっと』
『欲しがり。僕もだよ』
こいつ等、もう3回戦だぞ・・・
高校、今考えたら明確にトラウマを作ったのはここだな。
男共と女共が中学と比べて言い寄る数が桁違いだった。
中学は何だかんだで小学校からの付き合いもいたもんだから、中学に入って佐藤と悠斗の存在を知ったって人以外は友好的な関わり合いはしても、恋愛としての関わり合いはしなかった。
だが高校ではそんなの極少数で知らない方が圧倒的となれば、佐藤のその美貌に、悠斗はその毅然とした物怖じしない性格でそれぞれ虜にした。
お互いに言い寄る存在が、告白が後を絶たなかった。二人は嫌気が差して恋人関係と周りに伝えてるにも関わらずに、だ。
で、今度は二人が標的にされて自己嫌悪させにかかった。吊り合ってないだとか、お前には勿体ないだとかで関係の悪化を狙ってきた。
一方で過剰なまでに褒めて自分の方に振り向かせようとして。
それでも二人は抗い続けてたある日、男共の中の一人がとんでもない事をしでかした。
それは佐藤がパパ活してるっていう写真を至る所に貼り付けていた事だ。
当時の俺は悠斗を裏切ったクソ女がと思っていた。
悠斗は動揺してはいたが、佐藤を信じる事にして俺の財閥の力を頼ってきた。
合成かどうか調べてほしいと。
無論、親友からの頼みで徹底的に調べて合成であると見破り、犯人を捜した。
見つけた時のあのクソ男のべらべら語った悪意を思い出すと、今でもイライラする。
悠斗から引き剥がして、佐藤に自分だけは信じると刷り込みさせてぐちゃぐちゃに犯したかったと。もし悠斗が信じても、今度は悠斗が浮気しまくってる写真をばら撒くつもりだったと。
あの悠斗が一人称が俺に変わる程に激昂し、佐藤は自分自身を抱きしめる様に体を守り震えていた。佐藤はこれを機に肌の露出を怖がるようになったっけ。
不幸中の幸いは、皆がこれをきっかけで二人の関係を破壊するのを止めた事か?あれを見せられて信じ切れる自信が無いけど、悠斗は信じ切ったから、男として負けたと諦めた感じ。女共は意思が固すぎて無理といった感じで。
で、俺は俺として、アイツの行動はなんなのか気になって調べた時にたどり着いた答えがコレ、NTR。
詳細を見たら脳が破壊されるかと思った。
ふざけんじゃねえ。あんな良い関係をぶち壊して自分の欲望を満たすつもりだったと、佐藤を犯すつもりだっただと?
それを知った時、俺はクソ男への憎悪が治まらず、俺がクソ男をぐちゃぐちゃにしてやると実行してやった。これだけは悠斗には何も言わずに財閥の力を使ってクソ男を破滅させてやった。喜べよ、お前がしたかった事をさせてやってるからよ。
使われる側だけどな。
その後か、俺の性癖がねじ曲がったの。いや俺悪くない。
尊いエロを見て何が悪い。不法侵入?それは・・・悪いな。
『悠斗。一緒に暮らしてよ。もう嫌だよ』
『遥。ごめんね寂しい思いをさせて』
今までトラウマが表に出なかった理由が、佐藤も悠斗もお互い学校内でも離れようとしなかった事か。何されるか分からないと、俺以外あまり信用しなくなってた。
うーん・・・あ、そうだ。俺に良い考えがある。お互いWIN-WINな方法。
俺が悠斗を信用してるから成せる手段。
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