第4話 トラウマの訳を振り返る
『悠斗、私だけを見て』
『遥こそ、僕だけを見て』
二人の情事を見ながら思考したが、佐藤のトラウマって悠斗が関わってたりする。
悠斗が嫌がらせをしたとかじゃなく、悠斗から引き離したい女共と、悠斗から引き剥がしたい男共が中学と高校でそれぞれあった感じ。
中学。悠斗は物怖じしない性格で好青年なのもあって女共から人気があった。が、面白くないとなったのが佐藤の存在だ。
二人は常に・・・って訳では無いが、それでも一緒にいる期間が長い。女共は悠斗から佐藤を引き剝がす為に自ら離れさせるように促した。
悠斗に悟らせない為に陰口や仲間外れをして、悠斗と関わらない期間が伸びれば陰口は止み、仲間に入れさせる等の悪質な手口。更には佐藤に悠斗は悪い男と吹き込み始めて離れるのを狙った。
が、そこは親友の悠斗。いつもと違う様子に気づき、佐藤と何があったのか話し合って解決させた。仕返しはしたのか?って聞かれると、たぶんした。
確信持って言えないのが、相手の気持ち次第って悠斗が答えたからだ。
何をしたのかというと、学校では悠斗と佐藤は離れ、勝手に携帯機を調べられても連絡し合ってないように見せかけていた。だから佐藤は元の学校生活・・・には戻れてないな。学校内では悠斗と過ごせていないから。
ただ隠した方は巧妙だった。まさか働いてる父親同士の携帯機で連絡し合ってたとか誰が予想するだろうか。これだと、ふいに家に訪れて連絡してないか電話の履歴を探られようが、仕事に行ってて居ない存在まで探られる事はない。
『離れたくない』
『ずっとこうしてたい』
好都合だから良いんだけど
こいつ等、俺がガン見してるの忘れてるだろ。いちゃラブエッチ見れて良いけどさ。
で、離れさせてチャンスを作ったと思った女共はっていうと、うん。今の関係性から分かる通り、悠斗は一切靡かなかった。
虐めた存在を許せるかって聞かれたら許せねえよなぁ?だからと言って物的証拠が無いから断罪しても仕返しされるだけ。だから取った行動は無関心。
何か施されても他と同じ対応、特別扱いすら無い。だからと言って蔑ろにもしないといった、好意を擦り減らしにかかった時間のかかる仕返し。
これで佐藤に実は連絡し合ってるんじゃと調べても何も出てこないし学校内でも関わってない。なのに靡かないから女共は焦燥し切っていた。
佐藤の方は悠斗と離れてから男共が寄ってきたが、実は離れてないんだから靡くわけも無く全員振った。女共全員に仕返ししてやりたい気持ちもあったみたいだし。
そして卒業式、誰も次に進学する高校にいないのを確認したのち、見せつけるように二人はキスをして女共に今までの努力をふいにしていった。
『ん~ーっ!』
『はあ、はぁ』
こいつ等2回戦終わったか。
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