第7話~新学期、後編~
放課後
「き~りゅう。今回の担任さ、俺嫌い!!」
「馬鹿尊。それを大声で言う馬鹿がどこにいるんだよ馬鹿」
「…桐流、馬鹿馬鹿言いすぎじゃない?」
「お前は馬鹿であってるからいいんだ。だって聞かれてたらどうする。だからお前は不良なんだよ」
…その発言の仕方と、内容と、ちょっぴり素行が良かったら、面倒見のいいお母さんなんだけどな~
「はいはい。馬鹿不良で、悪かったですね~反省してます~♪」
「反省してないだろ。絶対」
「してるって」
うん。してるわけないな
「ところでさ、今日久しぶりに遊ばない?」
あ~
「尊、俺、今日用事があるから、またこんど遊ぼう」
「わかった~それまでにいいところ探しとく」
「ありがと。……そして勉強も教えろよ…」
「桐流…お前、国語、英語、社会死んでるもんな」
「うっせ…お前だって、数学と理科、社会死んでんだろ…」
「……社会はお互い様だ」
………正論だ…
「じゃ、またね~」
「おう。また明日」
家に帰らず、そのまま師匠のいる、見た目はきれいな場所へ向かう
「りうさん!!こんにちは!!」
「お!桐流くん。こんちゃ」
「師匠。今日もよろしくお願いします」
「てか、桐流くん。学校からそのまま来たでしょ」
うっ
「なんでわかったんですか~」
「平日、毎回だから。」
「…だって一回家に帰るのめんどくさいんから…」
「まぁそのおかげで限界まで訓練できるんだからな」
鋭い目が光った…確かにその通りでもある
「…その目で見るのやめてください。俺、2年前よりはできるようになったと思いますから」
「2年前よりはな。ところで桐流くん。実戦出てみないか?」
「…実戦…」
「そう。俺と2年で互角に戦えるのはほとんどいない」
「…まだ互角じゃ…毎回負けてるし…」
そう。俺はまだ師匠に一回も買ったことがないんだ。
「桐流くん。最初に僕と戦った時のこと覚えてる?」
「…確か瞬殺でした」
「そう。それが正解。ほかの人がとってる弟子は2年やっても、瞬殺される。」
こわぁ…
「そ…それが普通なんですか?」
「そう。そして、絶対に勝てないことが分かって、最後にはみんな暗殺者になるのをやめるんだ。そして殺し屋みたいな人になる、
善と悪の見分けがつかなくなった人たちだね」
殺し屋…じゃあ
「ノエルもですか?」
そして、やべっという顔になってから、一つ咳払いをして、
「これ以上先の情報は、実戦にある程度、出てくれたら教えるよ」
そう言って、いつもの黒い笑みを浮かべた
2年間この笑い方をみて気づいた。この笑顔の時は、俺を試してる
それならもう…答えはもう決まってた
「…師匠。俺は実戦に出ます」
「そうか…じゃあ次の俺の任務が、明後日だから、一緒に来てね。あっ日帰りだよ~」
「わかりました。」
「じゃあ楽しみに待ってるよ~荷物はこっちで用意しとくからよろしく~」
「はい。」
家に帰ると珍しく、父さんがいた
「…父さん。今日早かったね」
「…桐流、おかえり」
「ただいま…」
「桐流、明後日だけは、こんな時間に帰ってこないで、普通に帰ってこい」
明後日…師匠との約束の日…
「なんで?俺用事があるんだけど…」
「その用事ってなんだ?」
「父さんこそなんで?」
「美代が来るんだ」
「……それって再婚するヒト?」
「そうだが…」
俺的にさ、再婚相手…新しい、お母さんより、ちゆの過去…とかのほうが大事なんだよ。
ヒトのことしっかり愛するって決意したけど、知らない人はさすがに無理。
「俺さ、もっと大事な用事があるの…だから、今回パスして良い?」
「…それはだめだ。…もし今回すっぽかしたら、来月の小遣い無しな」
「…わかった。じゃあおやすみ」
俺はお小遣いなんかよりも…
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