第6話~新学期、前編~
新学期。
「きーりゅう!おはよっ」
「…おはよう。朝から元気だね。尊」
俺の唯一の親友、高坂尊(こうさかみこと)が話しかけてきた。
「そういう、桐流は、今日学校に来るの早くない?」
「…尊、今日はクラス替え発表だろ。お前と同じかどうか知りたかったんだ」
「桐流…!そんなに俺と同じクラスが良かったの!?」
「…そういうわけじゃない。お前といると、自然と人が離れていくから、楽なんだ」
そう。尊は超が付くほどの不良。なぜか尊といると、いつも寄ってくる、女子たちが
離れていくんだ。怖いくらいに。
俺は尊不良じゃないと思うんだけど…
「…なーんだ…」
「ほら。でも、俺は尊のこと親友だと思ってるからな」
「!俺も!!!」
「じゃあクラス分け見に行くぞ」
学校の前のきっつい上り坂を二人で全速力で上った
校門前に行くと、人が群がっていた。
そりゃ、クラス分けの日だから仕方ないんだけど。
二年生の前に行くと、うなだれている女子と喜んでる女子がいた。
よくわかんね。
と思いながら、1組から順番に見ていく。
俺より20センチ以上背の高い尊が
「あった。桐流。あっ俺の名前もあった」
「何組だ?」
「俺ら二人とも、2組。同じだぞ~」
「おぉ!」
にしても、掲示物の名前が見えない…
やっぱり、中学二年生で、148センチはちっちゃいかな…
毎日、ちゃんと牛乳飲もう…
「ほらっ、桐流。邪魔になってる。教室行くぞ」
「はいはい」
やっぱり、尊は不良じゃなくて、お母さん…みたいだな。本人に言ったら殺されそうだけど…
「はい。皆さん席についてください。僕が今日から、2年2組の担任を務める早崎大悟(はやさきだいご)です。」
そう言って少しうるさかった教室に入ってきた先生は見たことのない、イケメン先生だった。
「今年から、この中学校に配属されたのでよくわからないから、みんな教えてくれるといいな」
そして、まぶしい笑顔を浮かべた
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