第5話~スタート~

それから俺は週に3日一番時間の取れる、土曜日、月曜日、金曜日に師匠のりうさんのところに通った。


師匠の訓練は厳しかった。

エアガンで壁の的に正確に当てる訓練。

ナイフの当的訓練。

ヒトの急所。

暗殺者の種類、暗殺者のランクなど。

暗殺者の種類は、新人、ノーマル、ベテラン、異能使い、と

4種類に分かれていて、異能があれば、だれでも、異能使いのジャンルに入れる。

異能使いは、暗殺者の中で最強の分類だそうだ。

暗殺者のランクは、受けた任務の内容と任務の回数などで決まるらしい。

…ちなみに師匠は、日本ランキング3位だった…


そんな訓練を日常の隙間を使ってやっていた。


父さんは、母さんが亡くなってから、仕事を増やして

夜、10時くらいまで仕事をするようになった


1年後、中学二年生新級の1週間前。

父さんが再婚の話を持ってきた。

「桐流。父さんな、再婚しようと思うんだ。相手は職場先の佐味秦美代(さみはたみよ)という方なんだけど…」

「…なんでそんなこと俺に聞くの?」

「それは…家族の問題だし…桐流、野々が死んだこと引きずってるかなって…」

「俺は別に…あっでも俺が帰ってくるのが夜遅くても、文句言わない人なら」

これは最優先事項だ。だってそうじゃなかったら、暗殺の訓練できないから…勉強の両立、難しいんだよ…

まぁ…いまだに数学と理科以外ボロボロだけど…

「それは…美代に聞いてみるよ…。というか、桐流。いつも夜遅くまでどこに行ってるんだ?」

「…友達と勉強…か学校で補習とか?」

思いっきり嘘をついた。

「そうか」

「でもっ、父さんとの時間は大事にしてるし、友達とも、楽しくやってるからいいでしょ?」

「まぁ…」

「あっ父さん。これから、たまに泊まってきてもいいかな?」

「…その子に迷惑が掛からないなら」

「ありがと。父さん」

こんなうそつきの暗殺者見習いに

優しい父さんに、絶対に、恩返しをしようと思った。


そして、中学二年生になって、新しい、生活が始まった。

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