第18話
「お帰り。丁度、話が終わって、高島さんが頷いてくれたよ」
そう明地海が言うと、佐倉さんは目を輝かせて、
「本当にー!高島さん!よろしくねー!」
「……よ、よろしく」
ブンブンと手を握られる。
「ただし、倉庫には行かせられないから、会話するなら学校か外にしてな。」
付け加えるように言う山内昴に、目の前のお姫サマは頬を膨らませ、ブーイングをしていた。
私も行きたくないし、外でも嫌なんだけど。学校だけにしてくれないかな。
なんて思っても、誰も聞いてくれなさそうなので、心の内に留めておく。
とりあえずもういいかな。と思い、立ち上がり、
「へ?佐倉さん?」
「私、帰りますね。話も終わりましたし。」
「えっ、もう!?あと少し…」
「言うならば、今日は交渉で、実行は明日からでもいいですよね?」
彼女の言葉を遮り、口調を強めると、安達來が、
「いいんじゃない?明日で。無理矢理連れて来ちゃったし。もう授業も始まっちゃうし。」
「そっかぁ。じゃあ、明日の放課後でも、」
「私、バイトやってるんで行くなら、明後日です。」
えっ!?と驚く声に、にっこりと微笑み、
「それくらいいいですよね。だって、巻き込んだのはそっちなんですから」
そう言い残し、教室を後にした。
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