第16話

2人が出て行ったあと、少しだけ沈黙が流れた。



私から言うことはなくて、相手の様子を窺っていると、





「別に美優と仲良くしてもらわなくていいんですよ?」



切り出したのはメガネの男。




てか、それどういうこと?




意味不明な言葉に顔を顰めていると、





「彼女もあれで言い出したら頑固な所があるので、きっと高島さんにくっつきまわるかと思います」



「え。それは勘弁して…」



「なので、友達というよりかは話し相手になって下さい」



龍牙の姫になってから、女友達が減ったものなんで。




そう言われたが、正直私にとってはどうでもいいことなんだけどなぁ。




それでも断ろうとした時、またあの男が口を開く。





「断らない方がいいんじゃねぇか?」



「それはどういう意味ですか?」




そう聞くと、軽く口角を上げ、






「学校に通えなくさせることだって容易なんだよ。」




まさかの脅しをかけてきた。





「脅し?」



「いや?結果論を言っただけ。もうすでに俺たち龍牙と接触してる時点で、アンタの学校生活は静かには送れないよ。」



「別に何も関係なかったって言えばいいことじゃないですか」




「甘いねー。そんな簡単なことじゃないよ。龍牙の存在は」



バカにするように笑うこの男に苛立ちが募る。



どんだけ自意識過剰なの。





「今のアンタのハブられた状態が悪化するだけ」



つまり、いじめが始まるってこと。

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