第15話

「美優、顔を上げて?ただ、高島さんと友達になりたかっただけだもんね。」



メガネの男は佐倉さんに目を向け、先ほどとは違い、本当に優しい表情で言った。




「…うん。そうなの。私と友達になったら、そんなことも感じなくなるかな?って思って、だから今日も…」




…何言ってんの。このお姫サマ。




もしかして、学校からハブられていることを私が気にしてると思ってんの?


てか、私、佐倉さんと友達になりたくないんだけど。



お姫サマって理由もあるけど、その前に気が合わないと思うから。たぶん。





「……本人にお断りしたので、もう戻っていいですか?」



埒があかないと思い、強制的に話を終わらせようとする私に、目の前の男が口を開いた。







「來。美優と一緒に席を外せ。」



「は?」



何を言い出すんだこの男。




私の間抜けた表情を見て、彼はにやりと口角を上げ、





「飲み物も用意してないなんて、失礼だろ?」



「あっ!そうだよね!ごめんね、高島さん。來、行こう!」



そう言った男の言葉に佐倉さんはひどく同感し、安達來の腕を引っ張って、出てってしまった。




まんまと言葉にのせられてるよ。このお姫サマ。




さて、何を言われるんだ私。

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