それは、お昼休みに起こった。

ガラッー

ドアの開く音が聞こえたが、特に気にすることなく、携帯を弄っていると、周りがざわめき始めた。

「ねぇね、なんで龍牙のお姫さまがいるの？」

「知らないよー。てか、初めて見たけど可愛いんだね」

「やべーよ。超可愛いじゃん！」

「お前、間違っても龍牙の前で言うなよ。目付けられるぞ」

ん…？お姫サマ？

自然に情報が入ってくるが、頭には入ってこず、携帯に夢中になっていると、だんだんと近づいてくる足音に気付かず、

「やっと見つけた！」

「……。」

「えっ、無視しないで〜！」

トントンと肩を叩かれ、顔を上げた。

あ……。

「クラス一つ一つ探しちゃったよー！」

そこには昨日のお姫サマがいた。

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