第8話
近づいてみると、あの龍牙のお姫サマって感じで可愛い顔してる。
龍牙もはっきり見たことはないけど、周りの話によるとかっこいいらしい。特に総長と副総長と幹部2人が。
私にとっちゃ、どうでもいいので、とりあえずこの子を保健室に運ぶか。
「ねー、龍牙のお姫サマー。生きてる?」
つんつんと、頬を突っつくと、ビクッと身体が反応した。痛そうに眉を寄せると、ゆっくりと目を開ける。
「あ。起きたね。ねぇ、とりあえず保健室行く?消毒ぐらいした方がいいよ。」
私と目が合うと、怖がるように後ずさりをするから、一応にこりと微笑み、
「別にいじめるつもり微塵もないから、ほら早く行くよ。」
これでもこの後用事あるので、できれば急いでお姫サマを連れて行こうと、腕を引っ張り立ち上がらせる。
「た、助けてくれてありがとう。」
保健室に向かう途中、か細いいかにも女の子らしい声でお礼を言われた。
「別にお礼を言われることじゃないから。…あ、着いた着いた」
だって、実際いじめられてる所、目撃したけど、無視したし。
保健室に辿り着き、私は翻すようにして、
「じゃあ、私、用事があるから後は自分でやって。」
「えっ、あの…」
「いじめられてるんだったら、お仲間さんに相談したら?」
龍牙ならあんないじめ一発で収まるだろうし。
「待って…!」
「っわ!」
グンっと腕を掴まれ、思わず振り返ると、
「な、名前教えて!……で!私とお友達になって!」
「……はい?」
名前?友達?だって、私は、
「私、この学校で友達は作らないって決めたの。だから、ごめんね?」
ハブられ者だからね。
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