第5話

「んで、俺が駆けつけた時にはもう終わってたみたいだけど、さすがのお前でも無傷ってわけにはいかないか。」



「あいつら10人以上引き連れてきやがった。とんだとばっちりだ。」



「まーね。龍牙と関わっているから、そうなるだろうと思ったけどね。」



そう言うと、アヤトは舌打ちをし、あいつ覚えておけよ。と呟く。



あいつとは龍牙のトップのこと。俺たちとの関係を持ち掛けた張本人。


へらりと馬鹿そうに笑うヤツの顔が脳裏に浮かび、なんだか無性に腹が立つ。



俺も今度会ったら、一発殴っておこっかな。



なんて思い、ちらりとアヤトに視線を向け、先ほどから気になることを聞いてみた。





「それで?お前を助けた女の子の顔は覚えてる?」


「顔は見てねぇ。つか、助けられた覚えはない」


「……はぁ、」



隠すことなく溜め息をつくと、ギロリと睨みつけられる。



そんなことで怯むことなく、アヤトの隣に座り、



「アヤトの顔を見てるのに、逃げるなんて変わった子だよねー。」


「なんだよその言い方」


「だってそうじゃん。いつも言い寄られてるでしょ。」



長身に、程よく鍛えられた身体。

濁りのない金髪に、切れ長の二重。



性格は少し難だけど、悪いやつではない。

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